細部までしっかり作られたコダワリのゲーミングPC<Lenovo Legion T770i>の内部を分解チェック!

文●宮里圭介 編集●村野晃一(ASCII)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ハイエンド構成は伊達じゃない! <Legion T770i>の性能面をチェック

 Core i9-12900KとGeForce RTX 3080を搭載するハイエンド構成ということもあり、やはり性能が気になるところ。定番ベンチマークソフトを使い、簡単にその性能を紹介していこう。

 まずは、PCの総合性能を測る「PCMark 10」でのチェックだ。総合スコアが分かるだけでなく、用途別となるサブスコアもチェックしておきたい。サブスコアは、ビデオ会議やブラウザーなどの速度を評価する「Essentials」、オフィスソフトの動作を調べる「Productivity」、動画や写真編集、レンダリングといったクリエイター向きの「Digital Content Creation」の3ジャンルだ。

「PCMark 10」の総合スコアは9222。9000を超えるスコアは、さすがハイエンド構成といったところだ

 総合スコアは9222とかなり高く、性能がしっかりと発揮できている様子がうかがえる。各サブスコアも高めになっており、文句のつけようがない。とくにグラフィック性能が高いこともあって、Digital Content Creationのスコアが優秀だ。

 続いて3Dグラフィックス性能を見ていこう。ゲーミングPCにとって最も重要な項目ともいえるものだ。定番の「3DMark」を使い、デフォルトのテストとなっている「Time Spy」を試してみた。

「3DMark」から「Time Spy」を実行した結果。このスペックでの平均よりは低めとなっているが、大きく見劣りする部分はない。多くのゲームが4Kで遊べるだけの実力がある

 Time Spyのスコアは16740で、ハイスペック構成にふさわしいスコアとなっていた。これだけの性能があれば、多くのゲームが4Kでも快適に遊べるだろう。

 もうひとつ、3Dグラフィックス性能のテストとして、人気MMORPGの『ファイナルファンタジーXIV』用ベンチマークソフト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」も試してみた。

 比較的軽めなゲームとなるものの、画質を高め、4K解像度でプレーするとなると、かなりの性能が要求される。しかし、MMORPGは画面の美しさで臨場感が大きく向上するため、それだけの価値がある。

 そこで、解像度を「3840×2160」(4K)、画質設定をプリセットの「最高品質」として試してみた。

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果は、スコアが14147、評価が「とても快適」だった

 結果は見ての通り「とても快適」というもので、4Kの高画質設定でもストレスなく楽しめるだけの性能があることが確認できた。

 もう少し細かく見ると、平均フレームレートが95.2fps、最低フレームレートが55fpsとなっていた。悪条件が重なっても60fps近く出ているため、プレー中にカクツキが気になるということはまずないだろう。

 最後に、意外と妥協されてしまいがちなSSDの性能も見ておきたい。こちらも定番の「CrystalDiskMark」を使用した。

「CrystalDiskMark」の結果を見ると、シーケンシャルリードで6800MB/sを越えており、非常に高速なことがわかる

 SSDで注目されるのは容量で、速度はあまり気にされないことが多いが、細部までこだわる<Legion T770i>では、このSSDの速度も重視。非常に高速なモデルが採用されていた。

 この高速SSDのいいところは、シーケンシャル性能だけでなく、ランダム性能にも強いこと。テスト中実感したのが、大型アプリのインストールだ。

 ベンチマークソフトやゲームはファイルサイズが非常に大きく、数GB~数十GBとなることも珍しくない。しかも、ファイルは圧縮された状態でダウンロードされる。そのためインストール手順は、ファイルを解凍してからインストーラーを起動することになる。

 この最初のファイルの解凍はかなり時間がかかるものだが、この時間が明らかに短いのだ。高速なCore i9-12900Kとの組み合わせの効果もあるとはいえ、体感できるレベルで待ち時間が短いというのはうれしくなる。

 もちろん、インストール中もファイルの解凍やコピーが多数行われるため、SSDは高速であるほど快適なのは間違いない。

 快適という意味で少し触れておきたいのは、フロントインターフェースについて。昨今ではタワー型PCでもUSBの数が2つくらいしかないものが多いのだが、<Legion T770i>はしっかりと4つ用意されている。一時的に接続するUSB機器……例えばゲームパッドやヘッドセット、USBメモリーなどの利用で重宝する。

USB2.0×2、USB3.2 Gen1×2の合計4つUSBを装備。これだけあれば、複数USB機器を接続したい時でも困らない

 もちろんマイクやヘッドホン端子も用意されているので、USBではなくアナログ接続で使いたいという場合にも対応できる。

 デザイン面で優れ、性能が高く、使いやすさまでも追及している<Legion T770i>。本稿のようなレビューでは、メーカー製PCの内部を見せることはあまりないのだが、かなり凝った作りになっていただけに、分解して詳しく紹介していこう。

ケース内部の空間をキレイに見せる様々な工夫

 ゲーミングPCは「見た目も性能のうち」と考えられているようで、ガラスの側面パネルを採用し、内部が透けて見えるようになっているモデルが多い。<Legion T770i>もそういったモデルのひとつで、凝ったライトアップ機能と合わせ、内部を眺めて楽しめるようになっている。

 ただし、何の工夫もなしに内部を見せてしまうと、ぐちゃぐちゃになったケーブルがあるだけで、面白くないどころかむしろ不快に感じてしまうだろう。その点<Legion T770i>は、内部のパーツ固定や配線まで、しっかりと魅せる作りとなっている。

 どういった工夫が凝らされているのかを中心に、分解してみていこう。

分解の前にぜひ見て欲しいのが、ガラスパネルにある「LEGION」の文字。ブランドロゴがさりげなく、そし美しく施されていた

 ガラスパネルを取り外すと内部全体がよく見える。まず気づくのが、ケース内のケーブルがかなり少なく、目立たなくなっていることだ。

 これは裏配線が多用されているというだけでなく、うまく隠せるよう、ダクトを兼ねたカバーがあることが大きい。

ケース内はパーツで詰まっているように見えるもののケーブルは少なく、意外にもスッキリとしている印象だ。これは右の1/3ほどが、ダクトを兼ねたカバーの影響が大きい

カバーを取り外すと、下のケーブル類が見えるように。印象がかなり変わる

 このカバーは斜めのラインの入ったカーボン調のデザインとなっており、ケーブルを隠しているだけでなく、ガラス面にあるLEGIONロゴの背景にもなっている。デザイン的にも、かなり重要なパーツだ。

 もちろん実用性も考えられていて、前面から取り込んだ風をケース内に無駄に漂わせず、パーツ、とくにビデオカードに送り込めるようになっている。ゲーミングPCでは、CPUと同じくらいビデオカードの冷却も重要。この補助として働いてくれるというのがうれしい。

 続いてCPUクーラーを見ていこう。

 ハイエンドとなるCore i9-12900Kを静かに、そして強力に冷却するため、水冷CPUクーラーが採用されている。しかも、ラジエーターのサイズは360mm。ラジエーターはヒートシンクと同じ役割となり、大きければ大きいほど、冷却液の温度を下げやすくなる。

 一般的な240mm以下のラジエーターではなく、この巨大なラジエーターを採用したのは、冷却にも静音にも妥協しないという姿勢の表れだろう。

ポンプ一体型の水冷ヘッドは、LEGIONのマークが意匠された特別性。もちろん、ライトアップ機能も搭載している

よくある240mmではなく、巨大な360mmのラジエーターを採用。前面から冷たい外気を取り込み、強力に冷却するレイアウトだ

 側面からの写真で気づいた人もいると思うが、この水冷CPUクーラー、冷却液を運ぶチューブがうまく隠されている。

 このチューブの処理はかなり難しく、急な角度で曲げると潰れてしまうし、水流にも影響が出てしまう。つまり、冷却液の流れが悪くなって冷却性能が落ちてしまうのだ。そのため、水冷CPUクーラーを使う場合はチューブに手を加えず、ケース内で野放しになっていることが多い。

 しかし、<Legion T770i>はこのチューブにもこだわり、無理のない角度で取り廻せるよう、ケース上部にガイドを設置。冷却性能を落とすことなく、側面からほとんど見えない位置に移動しているのだ。

ケーズ上部にチューブのガイドを作成。ここを通すことで、側面から目立たないようになっている

 もちろん、性能には直接関係のない部分ではある。しかし、チューブがケース内で見えていると、水冷ヘッドが隠れてしまうため、せっかくのライトアップ機能が台無しだ。この水冷ヘッドはLEGIONのマークとなっているだけに、しっかり見せるためのこだわりといえるだろう。