この春、買うべき一台は?
コロナ禍以降、パソコンの購入時にも「ニューノーマル」な選択方法が誕生しつつあるようだ。
そこで今回は、国内生産BTOパソコンメーカーの雄、マウスコンピューターの小林氏にご登場いただき、この2年間で変化したニーズやセキュリティ対策、そして「この春買うべき、テレワークで使えるノートパソコン」をズバリ教えてもらった。
小林俊一氏
株式会社マウスコンピューター マーケティング本部 製品部 部長。今回は、テレワーク社会人のほか、学生の新学期向けも視野に入れた2022年新年度におすすめの一台を伺った。
※取材はオンラインで実施。
コロナ禍で求められたのはスペックではなく「台数」
── コロナ禍以降、ユーザーのパソコン利用にはどのような変化があったと感じていますか?
小林 従来、セキュリティポリシーの面から在宅勤務などテレワークに消極的な企業は少なくありませんでした。しかしコロナ禍においては緊急事態宣言などの影響によって、否が応でも対応・導入する必要に迫られました。
その過程で課題となったのが「台数」です。
つまり、それまでオフィスで使っていたデスクトップパソコンを流用することはできませんから、ノートパソコンと小型デスクトップパソコンへの需要が急激に高まりました。特にノートパソコンは可搬性が高いので、場所を問わず業務がこなせるといった特徴から需要が伸びたと考えられます。
実際、需要が非常に大きくなった時期があり、弊社を含めたパソコンメーカーの多くが供給の部分で困るような状況でした。
── 性能は二の次でとにかく従業員分の「台数」が必要になり、そのなかでもノートパソコンの需要が高くなったと。確かに、コロナ禍で急に在宅勤務が始まった頃は、「店頭からパソコンが消えた!」と話題になりました。
小林 パソコンはもちろんですが、Webカメラやヘッドセットといったオンライン会議にまつわる製品も品薄になり、半ば取り合いのような状況になっていましたね。
── 在宅勤務が常態化するにつれて、ノートパソコン内蔵のWebカメラやマイクなどの性能には変化はあったのでしょうか?
小林 性能自体は大きく変わっていません。標準的な画質・音質なら内蔵のWebカメラとマイクで十分だと思います。また、より高品質なオンライン会議環境を求めるお客様は、外付け製品を欲する傾向にあります。そういったお客様については、高性能な外付け製品をBTOで提供するスタイルで対応しました。
── 有線LANポート内蔵やLTE対応のノートパソコンを選択したいといったニーズも増えたのでは?
小林 安定したインターネット接続環境を利用したいというお客様のニーズは確かにあり、有線LANポートを本体に内蔵していてほしいというニーズも一定数あります。
このあたりは各家庭のインターネット環境にもよりますし、無線LANのアクセスポイントの性能にも左右されることですから一概には言えませんが、ある程度知識のある人は有線LANを好む傾向はあるようです。
ただ、弊社の場合はWi-Fi 6に対応している製品も増えていますので、つながりやすさに関しては改善が進んでいると思います。
ただいまPCゲーマー急増中! 「G-Tune」もラインナップ拡大
―― いま注目しているユーザー層、ジャンルはありますか?
小林 今後パソコンでゲームをプレイするお客様の増加が期待できると考えておりまして、実際に販売台数は伸びています。弊社のゲームパソコンブランド「G-Tune」では、これからPCゲームを遊んでみたいというライトなユーザー層から、すでにゴリゴリプレイしているPCゲーマー層まで幅広く対応する製品を用意し、今後も拡充していきたいです。
加えて今後は、家庭にパソコンが1台だけあればいいという時代から、2台目3台目を購入する機会が増えると思います。こうした動きについては、スタンダードな製品を、お求めやすい価格で提供していきたいと考えます。
―― スタディパソコンと銘打った「mouse E10」シリーズをはじめ、すでにエントリー層向けのラインナップが生まれています。たとえば新年度のタイミングで、小さなお子さんにmouse E10のマインクラフトパッケージをプレゼントするといったことも可能ですね。