親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第157回
10~20代はスマホの電話機能よりLINE通話をよく使う
ウチの子が「通話=無料サービス」だと思い込み、固定電話で大変な事に!
2022年03月08日 09時00分更新
若者の9割、シニアでも半数以上がLINE通話経験者
以前、固定電話は苦手だがLINE通話はつなぎっぱなしで使う10代の実態をお伝えしたことがある。では最近の10代の電話・通話利用実態はどうなっているのか。NTTドコモモバイル社会研究所の通話頻度と通話に利用するサービスに関する動向についての調査(2022年1月)を見ていこう。
スマホ・ケータイで音声通話(ビデオ通話を含む)をする頻度について聞いたところ、すべての年代で1割以上が毎日通話していた。月1回以上音声通話をする人の割合でみると、30代が最も高く、次いで20代が高くなった。
続いて、スマホ・ケータイで音声通話をする人を対象に、通話の際に利用しているサービスについて聞いたところ、すべての年代で約8割が携帯電話の通話機能を利用していた。
一方で、若年層ほどLINE通話の利用率が高かった。特に、10~20代では約9割がLINE通話を利用し、LINE通話の利用率が携帯電話の通話機能の利用率を上回っていた。また、シニアでも5割以上の人がLINE通話を利用していた。LINE通話の浸透率がよくわかるだろう。
固定電話でも「つなぎっぱなし」
LINE通話はデータ通信を利用して通話するため、Wi-Fiなどを利用する場合は通話料が無料となる。この「通話料が無料」という部分が人気となり、広い年代に利用が広がっていったのだ。
一方、LINE通話が当たり前となりすぎて、「通話は無料」という感覚の若者が少なくないという。「娘が土日は彼氏とLINE通話でつなぎっぱなしで、寝ているときもつなぎっぱなしだから驚いた」と、ある女子高生の母親から聞いた。
LINE通話が当たり前となりすぎて、感覚がずれてしまった子もいる。「子どもがLINE通話のつなぎっぱなしに慣れすぎて、このあいだゲームをしながら固定電話をつなぎっぱなしにしていた。電話代が大変なことになった」という話を聞いた。
「通話は無料」という感覚の若者が増えてきた昨今、通話そのものに対する感覚も大きく移り変わっている。若者たちのこのような変化はしっかり理解しておくといいだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
この連載の記事
-
第268回
デジタル
日本人のスマホ比率は97%、70代シニアも9割以上が所持 -
第267回
デジタル
子どもに敵わない保護者のリテラシー。今後は大人への啓発が必要 -
第266回
デジタル
6~9歳の5人に1人はSNS投稿・動画撮影経験済み。小学1~3年生が配信する例も -
第265回
デジタル
11~15歳の6人に1人はネットいじめを経験している -
第264回
デジタル
タイパを求め10代は倍速視聴・ながら視聴で生活の質を上げている -
第263回
デジタル
災害時に情報発信・拡散したことある人が2割もいる -
第262回
デジタル
「スマホ育児は良いこと」が8割。子どものスマホ利用は当たり前の時代に -
第261回
デジタル
板書は撮影、スクショがメモ代わり。中高生の勉強法は理想の紙×デジタル使い分けかも -
第260回
デジタル
意外!? 子どものスマホ所有開始年齢が10.6歳で下げ止まり -
第259回
デジタル
5年で新聞は減少、ネット・SNSが大幅増。ついにシニア層でも変化が! -
第258回
デジタル
炎上スピード増速中! 炎上最多はTwitter(X)、何気ない発言・写真も原因に - この連載の一覧へ