もうひとつの稼ぐ仕組み「楽天シンフォニー」
実は楽天グループには「楽天シンフォニー」という事業が存在する。楽天モバイルはこれまで自前で、業界に先駆けて完全仮想化ネットワークを構築してきた。この完全完全仮想化ネットワークの基盤やアプリケーション運営ノウハウなどをプラットフォーム化。RCP(Rakuten Communication Platform)として、他の通信事業者に売ろうというのだ。
2021年8月にはドイツの通信事業者である1&1と長期的なパートナーシップを締結することに合意。また、アメリカで第4のキャリアとして展開するDishもパートナーとなっている。
楽天グループではすでに数千億円規模の受注を獲得しているといい、三木谷会長は「この収益を国内ネットワークの増強に充てられる」としている。
楽天モバイルが目指すのは、通信業界のアマゾンだ(もともと楽天もネット通販をしているので、アマゾンを目指すというのは紛らわしいが)。
アマゾンは自社でネット通販を手がけているが、一方で、自社向けに構築したクラウド技術を他の企業も使えるようにサービス化してきた。資金に乏しいスタートアップでも手軽にアマゾンのクラウドを利用できたため、一気にユーザーを増やし、いまでは大企業でも当たり前のようにAWSを活用している。
楽天モバイルも日本国内にいるユーザー向けに通信事業者としてクラウドベースのネットワーク基盤を開発しつつ、そのノウハウや技術を世界の通信事業者に売っていくというわけだ。
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