人々の欲望がとぐろを巻く新宿。この街で働く人々が、確定申告時期に駆け込むのが、税理士・高橋 創が率いる髙橋創税理士事務所。開業15年目、キャバ嬢、ホスト、医師、アーティストなどあらゆる個人事業主・フリーランスの味方になり、税金の悩みに向き合い続けてきた。
ここでは高橋創税理士の経験から得た「確定申告、あるある」を基に様々なバレに配慮し、相談者の経歴やディティールの一部を変更して紹介していく。
第1回目は、「確定申告はめんどくさいし、していません」というフリーランスの相談にアドバイスをいただいた。
相談:会社員から独立して5年間、確定申告をしていない……
相談者はフォトグラファー・ユージさん(仮名・40歳)。新卒から35歳までの13年間、都内の撮影スタジオに正社員として勤務していましたが、独立。雑誌やウェブ媒体などのほかに、夜の街で働く人のプロフィールを撮影するスタジオとも契約している“そこそこの売れっ子”だ。
「独立してから2年くらいは、貯金を食いつぶして生活をしていたんです。それまで、会社が全部やってくれていたので、ぶっちゃけ確定申告って言われてもなにをどうすればいいのか、まったくわからないんです」
数字も書類も“生理的に苦手”だという。
「去年あたりから、カメラマン仲間から“確定申告の還付金は、フリーランスのいわばボーナス”とか“まとまった金額だから、欲しかった機材を買った”とかそんな話を聞くようになり、ここらでやらないといけないのかな、とは思っていたんです。でも、申告をいきなりして、税金がめっちゃかかってきたら嫌だとも思うし、そもそも確定申告ってなんでしなきゃいけないかわからないし。源泉税が引かれているから、それでもいいと思うんですが、やっぱりやらないとヤバいですかね?」
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