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グラフェンでシリコンチップ上高性能光スイッチを実現=慶應大

2022年02月17日 06時36分更新

文● MIT Technology Review Japan

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慶應義塾大学の研究チームは、原子オーダーで薄い炭素材料であるグラフェンを用いたマイクロヒーターを使うことにより、高性能なシリコンチップ上光スイッチを実現した。次世代の大容量光通信用チップ、光インターコネクトや光集積回路、量子情報チップなど、新たなシリコンチップ上光デバイスへの応用が期待されるという。

慶應義塾大学の研究チームは、原子オーダーで薄い炭素材料であるグラフェンを用いたマイクロヒーターを使うことにより、高性能なシリコンチップ上光スイッチを実現した。次世代の大容量光通信用チップ、光インターコネクトや光集積回路、量子情報チップなど、新たなシリコンチップ上光デバイスへの応用が期待されるという。 高速通信を支える重要な素子である光スイッチの次世代技術として、シリコンチップ上に集積した光導波路を用いる光スイッチが注目されている。だが、金属ヒーターによる加熱で屈折率を変化させて光スイッチを動作させるという現在主流の方式では、スイッチの速度や効率といった性能向上の限界が課題となっている。 研究チームは、金属ヒーターの代わりに、優れた熱特性を有するグラフェンを用いて、マイクロヒーターをシリコン導波路上にダイレクトに形成した新しい光スイッチを開発。応答時間が数マイクロ秒と、従来の金属ヒーターによる光スイッチと比べて大幅に性能を向上させることに成功した。 研究成果は、2022年2月14日に米国化学会(ACS)の学術誌、ACSナノ(ACS Nano)オンライン版に掲載された

(中條)

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