一方で、EVへの懸念も
結果的には、前述の環境配慮というリスク回避策が、EVに対するイメージや、不便なんじゃないか? という想定を上回ることになりました。
ただ、それでもガソリン(正確には我が家はディーゼル)で走るクルマとの違いに対して、尻込みする部分も当然あります。例えば、充電という行為をライフスタイルに取り入れる必要がある点です。
一度給油すると800〜1000kmくらい走るクルマに乗っているので、旅行などに行かなければ、半分減った時点で月2回程度給油するかどうか。かつ一度の給油は5分程度で済んでいるので、わずらわしさを感じることはありませんでした。
しかし現状ここまで航続距離のあるEVはないことと、EVの充電は急速充電器でも30分で実効距離数で200km分ぐらいの充電となるため、充電頻度は倍、かかる時間はさらに増大するのではないか? という想定をしていました。そのたびに30分かかるなら、そういう時間をどこで捻出するか、考える必要が出てきます。
さらにこれは今でも心配していることですが、今住んでいる場所の周りは充電設備が手薄なこと、すぐには駐車場に充電器を設置できなさそうなことから、ちょっとどうなんだろう……と悩んでいる部分もあります。
そうした解決も含めて、体験的にお伝えしていけるんじゃないか、という職業病みたいなものも、あるにはあったのですが。(続く)
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。モバイルとソーシャルにテクノロジー、ライフスタイル、イノベーションについて取材活動を展開。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、シリコンバレー、サンフランシスコのテックシーンを直接取材。帰国後、情報経営イノベーション専門職大学(iU)専任教員として教鞭を執る。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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