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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第151回

SNSでのつながりが関係性のすべて?

なぜ10代はTwitterで「ブロ解」を駆使していたのか?

2022年01月25日 09時00分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII

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今は必要ないが……「ブロ解」のやり方

 「ブロ解」という言葉を聞いたことがあるだろうか。2021年10月まで多くのTwitterユーザーの間で使われていたこの方法を解説すると同時に、使われていた理由をご紹介したい。

 Twitterでは、相手からフォローされている状態でブロックすると、相手からのフォローが解除され、相手をフォローしている状態でブロックすると、相手へのフォローも同時に解除される。

 この仕組みを利用して、一度相手をブロックしてから解除することで相手からのフォローを外すというやり方は「ブロ解」と呼ばれ、Twitterユーザーの間で一般的になっていた。ブロックしても相手に通知が行くことはない。また、一度したブロックを解除するのは相手から気づきづらくするためだ。

若者はフォロー解除にも細心の注意を払っているようだ

フォロー関係が重要な若者たち

 2021年10月には、Web版でフォロワー削除機能が追加されている。フォロワー削除機能によって、ブロックすることなくフォロワーを削除、つまり相手からのフォローを外すことができるようになったのだ。それだけこの機能を求めるユーザーが多かったということだ。

 やり方は次の通りだ。Web版のTwitterにログインし、フォロワー一覧を開き、「フォローする」の右側の三点マークをクリックし、「このフォロワーを削除」でフォローを外すことができる。

 「フォロワーの数はわかってるし、リムられればすぐにわかる。すごくショックだし、何でされたんだろうと考える」と、ある高校生は言う。

 若者は、Twitterで「リムった」「リムられた」ことを気にする。リムったとはフォローを解除した、という意味であり、リムられたとはフォローを解除された、という意味だ。多くの若者はお互いにSNSでのみつながっており、SNSでつながりが切れたら、ほかにつながる手段がない状態だ。それゆえ、フォローの解除は、関係性を切ることと直結している。

 しかし一方で、毎日利用するSNS内でストレスなく過ごしたい意識も持っている。人間関係をリセットしたいとか、自らがコントロールする側になりたい意識もある。ブロックやフォロー削除される側になることを恐れ、自らがする側になっている面があるのだ。

 ストレスになってまでSNSを利用することはない。たまに利用を休んだり、このような機能を利用したりすることも必要なのだ。

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著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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