Bergamoの構成を推定
1CCXあたり8コアでトータル128コアか?
ところでプラットフォームの話だが、Genoaのパッケージ内部のCGを見る限り、12個のCCD+1個のIODという、Milan世代の基本構成は変わっていないように思える。
まだこのMilan世代のパッケージサイズなどは明らかになっていないが、現行のEPYCと大きく変わらないと考えると、ダイ1つあたりの大きさはやや小さくなっているようだ。
さて問題はBergamoの構成である。おそらくIODはGenoaと共通であろう。なので可能性としては以下の2つのパターンが考えられる。
- 1個のダイに16コアのBergamoが搭載され、これが合計8ダイで128コア
- 1個のダイに8コアのBergamoが搭載され、これが16ダイで128コア
ちなみに1つ目の場合、CCXを16コアまで増やすのか、それともCCXは8コアのまま、2つのCCXを1つのCCDに搭載するのか、という2通りの可能性があるのだが、筆者としてはダイあたり2CCX、1CCXあたり8コアという案を推したいところだ。
さすがに16ダイの搭載は実装コスト的にどうよ? という話ではあるし、そもそもTSMCのN7→N5でトランジスタ密度を倍増できるなら、高密度ライブラリーを使う前提なら、Zen 4cの16コアCCDはZen 3の8コアCCDと同程度のダイサイズに収まるだろう。
ダイとパッケージをつなぐインターコネクトのball(ダイ底面に配される、配線接続用のBGA Ball)の数を確保するためには、あまりダイサイズが小さいのは不利になる。もちろんZen 4cを他の用途(例えばデスクトップ向け)に転用するつもりなら、CCDあたり8コアに留めておく方が有利だろうが、今のところそうした計画が一切聞こえてこないあたりは、CCDあたり16コアでもかまわないように思う。
そしてCCXを1つにするか2つにするかだが、CCXあたり16コアまで拡張すると、おそらく論理設計側にも手を入れる必要があるだろう。もちろんZen 4cが「全く」論理設計に手を入れないか? というとそれはそれで難しいので若干は入るだろうが、CCXの構成そのものは少なくともZen 4/4c世代では手を入れないだろうと筆者は推定している。
以上のことからBergamoは8CCD、1CCDあたり2CCX、1CCXあたり8コアでトータル128コア、という案を提示しておきたい。このBergamo、2023年前半に市場投入とされている。物理設計に1年くらいかかるという昨今のCPUデザインの事情を考えれば、Genoaから1年遅れというスケジュールは非常に納得できるものである。
ちなみにエリアサイズがZen 4とZen 4cでは大きく変わらない(せいぜい4分の3程度)という予測が前提なので、デスクトップにZen 4cは来ないと筆者は予測している。big.LITTLEへの対応ができていないわけではない(*2)が、Armにしてもインテルにしても、bigコアとLITTLEコアの大きさが大きく異なっており、LITTLEコアはbigコアの数分の1(*3)まで縮めないとbig.LITTLEのメリットは生まれにくいように思う。
その見方でいけば、現在のZen 4cは大きすぎるように思う。ちなみに次で触れるが、Zen 4とZen 4c(というよりGenoaとBergamo)ではややSIMD命令周りに差があるかもしれない。
(*2) 例えば2019年12月にAMDは“Method of Task Transition Between Heterogenous Processors”という特許を出願し、2021年に登録されている。
(*3) Alder Lakeで見る限り、E-CoreはP-Coreの4分の1くらいのエリアサイズに見える。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 -
第885回
PC
TSMCも次世代「CFET」の全貌を披露! Forksheetスキップの背景と、世界最小6T SRAM実証で見えた2030年への布石 -
第884回
PC
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ -
第883回
PC
TSMCのA16プロセスの詳細が判明! 性能向上の主因はトランジスタではなく裏面電源供給(SPR)にあり? -
第882回
PC
IBMが0.7nmチップの製造に成功! 変態的CFET構造NanoStackの凄みと、あまりに高すぎる製造コストの壁 -
第881回
PC
同一周波数で消費電力18%削減! 進化した「Intel 18A-P」はどこが変わったのか? -
第880回
PC
次世代NVLinkの布石か? TSMCの光電融合技術「COUPE」がもたらすAIサーバーの光接続 -
第879回
PC
なぜAIには「光」が必要なのか? NVIDIAが解説するスケールアップネットワークの低遅延・省電力化戦略 -
第878回
PC
もはや銅配線は限界? 3200Gイーサネット実現に立ちはだかる200GT/秒の壁 -
第877回
PC
「不良品ゼロ」と「水冷NG」の狭間で。ルネサスが明かした車載チップレットSoCのリアル -
第876回
PC
このままではメモリーが燃える! HBM4/5世代に向けた電力供給の限界と、Samsungが示すパッケージ協調設計の解 - この連載の一覧へ


