シャオミの「Xiaomi Pad 5」は、ハイエンドスマートフォンに近い性能を備えた11型のAndroidタブレット。国内では絶滅危惧種ともいえるハイエンドのAndroidタブレットながら、シャオミらしい高いコストパフォーマンスで非常に使い勝手のいい内容に仕上がっている。実機をお借りできたので、その実力を検証してみた。
大画面で狭額縁、高級感のあるデザイン
まずは外観だが、Xiaomi Pad 5は11型のディスプレーを搭載しており、サイズは約166.25×254.69×6.85mm、重量は511g。サイズが近い所で10.9型のディスプレーを搭載した第4世代の「iPad Air」を見ると、サイズが約178.5×247.6×6.1mm、重量がWi-Fiモデルで458gとなっており、厚さや重量がややあるものの近しいサイズ感であることが分かる。
500gを超えることから、10型クラスのタブレットに慣れていると手にしたときにやや重さを感じるが、その分ディスプレーサイズが大きく性能も高い。ディスプレー素材は液晶だがタブレットとしては狭額縁で、大画面を存分に生かしてコンテンツが楽しめるのはメリットだろう。
デザインは第4世代iPad Airに近いスクエアなデザインで、最近のスマートフォンのデザイントレンドを踏襲している印象だ。背面はさらさらした加工が施されていて高級感もあり、手にした時の所有感も悪くない。
側面を確認すると、縦にした状態で右側面に音量キー、上部に電源キー、下部にUSB Type-C端子、そして左側面にキーボードなどを接続する端子が用意されている。指紋センサーは備わっておらず生体認証はフロントカメラを活用した簡易的な顔認証のみだ。
AAAクラスのゲームも快適に遊べる性能
Xiaomi Pad 5はAndroidタブレットとして性能が非常に高いことが大きな特徴の1つにもなっている。Androidタブレットは低価格で性能は価格相応というものが多く、YouTubeなどの動画を見るには事足りるが、ゲーミングなど性能を要求するアプリの利用には適さないものが多かった。
だがXiaomi Pad 5は、SoCにハイエンド向けの「Snapdragon 860」を搭載、メモリーは6GB、ストレージは128GBまたは256GB(モデルによって異なる)と、かなり高い性能を誇っている。ここ最近発売された同クラスのAndroidタブレットで比較的性能が高いものとしては、レノボの「Lenovo Tab P11 Pro」やNECパーソナルコンピュータの「LAVIE T11」(T1195/BAS)などがあるが、搭載しているチップセットは「Snapdragon 730G」と、ミドルハイクラスにとどまっている。
もちろん「Snapdragon 870」を搭載したレノボの「Lenovo Yoga Tab 13」も存在はするのだが、こちらは画面サイズが13インチとより大きく、スタンドを搭載しモバイルディスプレーとしても使えるなど、やや特殊な立ち位置にある。それだけにXiaomi Pad 5は、現時点では唯一ともいえるスタンダードなAndroidタブレットのハイエンドモデルとなる訳だ。
ではその性能はどの程度なのだろうか。Snapdragon 860は2年前のハイエンドモデル向けチップセット「Snapdragon 855」に近い性能とされているのだが、ゲームで確認してみると「PUBG MOBILE」ではグラフィック設定がクオリティで「FHD」、フレーム設定で「高」、「原神」ではグラフィックのデフォルト設定が「中」と、最近のハイエンドモデル並みの設定が可能となっていた。
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「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティーが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」まで上げることが可能。Snapdragon 7xx系よりは上の性能を持つことが分かる
(C)2021 KRAFTON, Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
もちろん「Snapdragon 888」を搭載した最近のスマートフォンと比べ性能が及ばないのは確かだが、常に最高クオリティーにこだわるのでなければ、これだけの性能があればAAAクラスのゲームも快適にプレイできるだろう。Xiaomi Pad 5はそれに加えてディスプレーのリフレッシュレートが120Hz駆動にも対応しているので、動きのある表示がスムーズなのもうれしい。
もっともタブレットでゲームをする際は、画面が大きいだけにスマートフォンとは指の配置や操作感が違ってくる点に注意は必要だろう。スマートフォンのゲームはゲームコントローラーに対応していないものが多いので、大画面で快適にプレイするにはそれなりに慣れが必要なことは覚えておきたい。
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