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NTT東西と大日本印刷が教育分野のDXに向けてタッグ

電子教科書や教材配信サービスを手がける新会社NTT EDX設立へ

2021年10月06日 17時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2021年10月8日、NTT東日本、NTT西日本、大日本印刷(DNP)の3社は高等教育の高度化に取り組む新会社「NTT EDX(NTT エディックス)」を設立する。EDXはEducationとDXを組み合わせた造語になる。

NTT EDX 代表取締役社長 金山 直博氏

学生、教員、出版社それぞれにメリットをもたらすプラットフォームサービス構築へ

 NTT EDXは高等教育の議題解決に向け、電子教科書や教材事業を中心とした各種サービスを提供するほか、出版社・書店の取次や流通支援もあわせて手がける。学術情報ネットワーク(SINET)に接続されたセキュアなICT基盤、大学ビジネスの知見と営業力、データ分析のノウハウを持つNTT東日本・NTT西日本と、出版業界とのリレーションや教育コンテンツの制作・配信ノウハウを持つDNPがタッグを組んで、教育のDX化に挑む。

 予測困難な時代を生き延びるための質の高い教育が求められる昨今、データに基づいた教育、デジタルコンテンツ、デジタルのフィジカルの融合など、ICTを活用した教育の高度化は、コロナ禍を経てますます重要となっている。こうした中、両社は電子教科書や教材を活用した先行的な取り組みを京都先端科学大学や武庫川女子大学などで進めた結果、高等教育の課題解決に向けたさまざまな成果や知見が得られたため、新会社の設立に進んだという。多くの高等教育機関が利用できる電子教科書・教材配信、出版社・書店向けの取次や流通支援などをプラットフォームサービスとして提供する。

NTT EDXの事業概要

 ICT化された教育サービスでは、学生はシラバスから教科書を試読でき、ワンストップでオンライン購入し、すぐに閲覧することが可能になる。また、従来バラバラだったシラバスやLMS(Learning Management System)、電子教科書などをワンストップで利用したり、可視化された学修プロセスにより、主体的な学修を実現できる。また、教員としても選定DBから教科書を選定したり、オリジナルの教材を制作し、シラバスに自動登録できる。電子教科書の利用ログを見て、学修状況の確認や学生のフォローができるほか、学生個別の評価や指導が実現する。出版業界においても、取次業務のワンストップ化や情報の一元管理、発送業務のカット、ログを用いた効率的なマーケティングが実現するという。

 設立後の動向としては、高等教育機関に向けたオンライン・リモート環境の構築から電子教科書や教材配信、取り次ぎ・流通支援などをスタートし、データの利活用によりオリジナル教材の開発支援も進める。将来的には卒業後の学びを推進すべく、新しいリカレント向けサービスも開発していく予定だという。

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