スマートウォッチ市場のなかで群を抜いてカッコいい
短い期間ではあったが、W770(BZ1056-09L)を使ってみたうえで感じたのは、アナログ腕時計を使っているのと同じような手軽さだった。充電管理のためにケーブルをいちいち繋がずに済み、TPOを気にせずに出かける際にさっと身につけられるデザインであることは、なによりの魅力だろう。また、紺に近いブルーとブラウンに近いゴールドという色の組み合わせも、嫌味のない高級感を醸し出している。
正直言ってスマートウォッチ市場のなかでは群を抜いて“カッコいい”部類だと思った。特に、バンドにも革が使われているので、インテグラルタイプの金属バンドモデルが苦手な人でも選びやすいというのは、同機を選ぶ際のポイントになるかもしれない。
また、Riiiverを活用すれば振動や指針の針でスマートフォンからの通知を、こっそり知ることができるほか、ボタンの同時押し操作でメール送信やスマート家電の操作がウォッチ側からできるなど、下手するとディスプレー付きのスマートウォッチよりもハイテクを感じる部分もある。一部のiiideaがプリインストールされていて、オン・オフの切り替えで利用できるようになっていることなど、従来のRiiiver対応モデルよりも、ユーザーにとっての敷居を下げたのだろうという改良点も、しっかり伝わってきた。
確かにRiiiver機能をフル活用すると考えると、ある程度ガジェットとしての複雑な設定手順が求められてしまうことには違いないが、プリインストールされたiiideaから始め、ストア上に用意されたiiideaを使い、オリジナルのiiidea作成に挑戦するという、ユーザーが段階を経てプラットフォームに馴染んでいく流れが作られたのは、好印象だ。あまり構えずに“気になったら手を出してみる”くらいの姿勢で挑戦してみた方が、楽しめる製品になったのではないだろうか
なお、革バンドではなく金属バンドを使用したモデル「BZ1050-56W」については、別途レビュー記事「Riiiverが使いやすい!新スマートウォッチ「CITIZEN CONNECTED Eco-Drive W770」レビュー」が公開されている。本稿では、Riiiverに関する機能以外のW770シリーズ自体の特徴について触れなかった部分も多いので、詳細はぜひこちらから確認してみて欲しい。
筆者紹介――井上 晃
フリーライター。スマートフォンを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway