Windows 11ではデフォルトコンソールとして利用可能に
プレビュー版(v1.11.2421.0)に追加された機能だが、目立つものとしては、デフォルトコンソールとして使えるようになった点がある。ただし、この機能はプレビュー版でのみ有効で、かつWindows 11でのみ動作する。Windows 10への実装は不明だが、Windows側の対応が必要なので、もしかしたら今後もWindows 10では実現しないかもしれない。
これにともない、wt.exeによるコマンドラインからの起動は、プロファイルを使わないようになった。というのはデフォルトコンソールは、どのプログラムから起動されるかを確定できないため、コマンドライン・インタプリタの起動を前提にしたプロファイルは適用できないからだ。ただし、Settings.jsonのDefaultsセクション、およびProfilesセクションのdefaultsで指定した設定は有効になる。また、wt.exeでプロファイルを指定したい場合には、「-p」オプションでプロファイルを明示的に指定する。
これに関連して、プレビュー版では、これまでのWindows Terminalではできなかった自動生成プロファイル(コマンドプロンプトやWindows PowerShell、WSLなど)が削除可能になった。
GUI設定では、デフォルト値に戻すボタンが装備された。これにより、設定項目ごとにデフォルト値へ復帰させることが可能になった。GUI設定の「操作」では、キー割り当ての新規追加、キーの編集などが可能になっている。このあたり、プレビュー版ではv1.9から改良が続くのだが、安定版にはまだ反映されていない。
またプロファイルの設定では、「既定値」でプロファイル共通の設定が可能になった。もともとこの機能は、Settings.jsonでは以前から利用できた機能だが、GUI設定では不具合が生じており、一回取り下げになっている。個別のプロファイル指定では、右側領域の「外観」タブに「フォーカスされていない外観」を設定できるようになった。複数のウィンドウを開いたとき、背景画像などを変えることで、フォーカスの有無を判断できるようになる。
安定版(v1.10.2383.0)に搭載された機能は、すべてプレビュー版でも利用可能である。大きなものとしては、言語選択機能がある。
これは、Windows側の言語指定とは別にWindows TerminalのGUI表示言語を指定できるもの(ターミナル内で動作するプログラムの言語指定ではないことに注意)。これにより、日本語版Windowsの中でもWindows Terminalを英語モードで動作させることが可能になり、翻訳のためActionの検索が困難だったコマンドパレットなどが使いやすくなる。また、コマンドパレットがメニューに表示され、マウス操作でも起動できるようになっている。
v1.9で装備されたホットキーによるWindows Terminalの呼び出し(globalSummon)に関連して、Windows Terminalは、設定でシステムトレー(通知領域)にアイコンを表示して常駐できるようになった。
直接利用できる機能ではないが、v1.11では、タブの「tear-off」機能への準備が始まった。いまのところ同一ウィンドウ内では、タブを移動させることはできるが、tear-offは、タブを切り離して、別のウィンドウに移動させる、あるいは新規ウィンドウとするもの。ウェブブラウザのタブの動作と同じものだ。
これが可能になると、多数のタブを開いているときの作業が楽になる。たとえば、sshやPSRemoting(PowerShellのリモートシェルのようなもの)を使って、複数のマシンの設定をまとめて変更することがある。そんなとき、作業の終了したマシンは別ウィンドウに移動させられると、同じマシンを2回設定してしようとする間違いを防ぐことができる。この機能は、v2.0の目標になっている。
キー割り当てが変化しなくなり、Windows 11固有の機能などが搭載されたWindows Terminalプレビュー版だが、そろそろv2.0へのバージョンアップが近くなってきた。GitHubにあるロードマップでは、10月プレビュー版v1.12を出し、11月には、v2.0のリリース候補版(RC)、12月にv2.0という予定になっている。
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