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テーマは「GOING BEYOND BARRIERS」

パナソニック「SPORTS CHANGE MAKERS」最終プレゼン開催、スポーツの価値を技術で拡張

2021年08月31日 15時00分更新

文● ASCII

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「SPORTS CHANGE MAKERS」の最終プレゼンテーションが開催された。写真は最終プレゼンテーションに参加したファイナリストとアドバイザーたち

 パナソニックが8月23日、パナソニックセンター東京で「SPORTS CHANGE MAKERS」の最終プレゼンテーションを開催した。

 「SPORTS CHANGE MAKERS」とは、同社が第32回オリンピック競技大会(東京2020オリンピック・パラリンピック)の開催に合わせて開催するコンペティション。将来のオリンピック・パラリンピック開催予定地を含む4ヵ国(日本、中国、フランス、アメリカ)の学生を対象として、映像や音響機器を使った、競い合う楽しみ方や観戦の方法などを募集したものだ(プレイベント時の掲載記事はこちら)。

Mirror Field経由で視聴ができた

 今回の最終プレゼンテーションでは、4ヵ国から選出されたファイナリスト各1組が、成果発表をするかたちでプレゼンテーションを行なった。プレゼンテーションの模様はYouTube、Twitter、微博を通じて中継されたほか、メディア限定で、オンラインからアバターを通じて参加できる「Mirror Field」でも同時に配信された。

異文化コミュニケーションを楽しむための電気自転車
中国代表チーム

中国代表チームの「LINK」

 中国代表チームのアイデアは「LINK」と名付けられた、異文化コミュニケーションを楽しむための電気自転車だ。

 彼らは、体調の優れない韓国人観光客が薬局を探しているのに、翻訳アプリを介さないとコミュニケーションがとれず、スムーズな案内ができなかったという経験から、「言語の違い」という障壁に気づき、また、言語の違いが、コミュニケーションの機会を失うことにつながるかもしれないと述べた。

リアルタイム翻訳やVlog機能を設けた電気自転車だ

 こうした着想から生まれたのがLINK。リアルタイム翻訳機能や、Vlog機能、SNSへの動画投稿機能、ナビゲーション機能を搭載した2人乗り用の電気自転車だ。ユーザーはまず、専用のサイトから好きなスポーツや音楽、休日の過ごし方などを入力する。その情報を元に、AIが最適な相手とマッチングさせる。この仕組みによって、初対面の相手同士でも、楽しく会話ができるとした。

LINKは2人乗り用で、同乗する相手はAIによるマッチングで選ばれる

 LINKで撮影したVlogは、そのままSNSなどにも投稿ができ、帰国後に思い出を振り返ったり、SNSを通じた交流に発展させたりといった使い方もできる。

 バイクや車でなく、自転車という乗り物を選んだのは、サステナブルへの配慮から。チームの林雪儿氏は「LINKをきっかけにして、観光客と地元住民との交流が生まれ、世界が“リンク”していくかもしれない」と話した。

聞きたい情報をビジュアル化するヘッドセット
アメリカ代表チーム

アメリカ代表チームの「Immersi-Vision Visor」

 アメリカ代表チームのアイデアは、聴覚障がい者がスタジアムでの観戦を楽しむためのヘッドセット「Immersi-Vision Visor」だ。

 彼らは、まず自分たちのプロジェクトについて、難聴から耳がまったく聞こえない人まで、聴覚に障害を持つすべての人を対象としていると説明した。コンセプトは、「聴きたい情報をビジュアル化する」だ。

複数の言語に対応しており、ユーザーの母国語で利用できる

 メインとなる機能の仕組みはシンプル。観客たちのフィーリングや感情を声から読み取り、青は悲しみ、赤は怒り、緑は不快感、ピンクは喜びといった具合に色分けして、感情を表す絵文字を付加した上で、ヘッドセット上に表示する。ヘッドセットを装着して観戦することで、試合中の会場が、どのようなムードに包まれているのかがわかる。

 テキストボックスで試合に関する情報を表示することも可能。選手にズームインすると、プロフィールや負傷の状況、得点数といった情報がポップアップする。また、言語の設定メニューを設け、複数の言語で利用ができる。「なるべく多くの言語を導入する」つもりだとし、母国語でゲームの状況を把握できるようにもなる。

デモでは、タブレットを使って披露された

 得点シーンのインスタントリプレイや、各チームの選手を色分けして視認しやすくする機能も搭載。装着することで、ゲームに集中しながら、より詳細な情報を自然に得られる点が大きな特徴だ。

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