ソニーのXperiaシリーズ最新フラッグシップモデル「Xperia 1 III」。ドコモ、au、ソフトバンクと3キャリアから発売されており、5Gのミリ波対応やリフレッシュレート120Hzの4Kディスプレーなど、ハイエンドらしい性能でユーザーからの注目度が高いスマートフォンだ。今記事では、ソフトバンク版によるレポートをお届けする。
ディスプレーは6.5型(3840×1644ドット)の有機ELを搭載。4K相当の解像度でHDRにも対応しているのは、前モデルから継承。さらにXperia 1 IIIでは、リフレッシュレートが120Hzに対応。画面スクロールなどでテストしてみると、確かに滑らかな表示で、高リフレッシュレートで描画するゲームなどでは効果が高そうだ。
ただしほかのスマートフォンと比べると輝度が低いのか、屋外晴天下での明るい状況だと画面がほかのスマートフォンよりもやや見えづらい。ソニーによるとXperia 1 IIよりは明るくなっているとのことだが、屋外で写真や動画を撮影するときに確認しにくいので、このあたりはさらなる改良を期待したいところだ。
本体サイズは約71×165×8.2mmで、重さは約188g。最近のハイエンドモデルは200gを越えるモデルも多いので軽量な部類に入る。アスペクト比が21:9で、画面サイズの割に細身なため持ちやすいというXperia 1以降の特徴もそのままだ。
ハードキー類は本体右側面に配置。ボリュームと指紋認証センサー一体型電源キー、カメラキーに加えて、Googleアシスタントの起動キーが配置されている。このGoogleアシスタント起動ボタンは、日本モデルではカスタマイズに非対応。ほかのアプリの起動を割り当てることはできない。ほかのメーカーにも言えることだが、個人的にはGoogleアシスタントの利用頻度はそこまで高くなく、起動は別の操作方法でも代用できるので、ない方がスッキリする。
本体左側面にはSIMスロットがあり、ピンなどを使わずに引き出せるトレーとなっている。キャリア版のためシングルSIM使用で、最大1TBまでのmicroSDもセット可能。Xperia 1 IIIは高速連写やRAWでの撮影も可能なため、本格的に使うとストレージを消費するので、microSD対応はありがたい。
モバイル通信は5Gに対応しており、バンドもSub6だけでなく、ミリ波にも対応。高速での通信が期待できる。ただし貸し出し機はSIMを挿入してのテストが禁じられているため、速度テストや受信感度などは確認できなかった。ソニーの説明では、同じミリ波対応の「Xperia Pro」と比べると、本体素材などの違いからミリ波の受信性能は若干落ちるとのこと。
本体上部にはイヤホンジャックがあり、有線イヤホンが利用可能。ゲームなどで遅延を嫌うユーザーにはうれしいポイントだ。さらに有線イヤホン接続時の最大音圧が、Xperia 1 II と比べると約40%向上。そのため解像感も高くなっており、大音量再生時に音の歪みもおさえられているので、より高音質で音楽が楽しめる。
本体スピーカーの性能も向上しており、左右のステレオスピーカーからの音圧がこちらもXperia 1 IIと比較すると40%アップ。本体振動などを抑えることでよりクリアな音質となっている。
実際にテストして聴いてみたが、このサイズのデバイスとしてはかなり秀逸。ほかのデバイスと接続してモバイルスピーカーとして使いたいと思ったくらいだ。
サウンド面ではそのほか「360 Reality Audio」や、AI処理でハイレゾ相当の高音質に変換する「DSEE Ultimate」を搭載。XperiaはソニーのAV機器でもあることを実感できる仕上がりとなっている。
Xperia 1 IIでは搭載されていたフルセグ/ワンセグは非対応。とはいえ動画視聴に関しては配信サービスを利用するユーザーも多く、五輪ですらリアルタイムで公式の配信をしているくらい。実際筆者もXperia 1 IIを使っているが、フルセグ/ワンセグはテスト以外では視聴したことがない。スマートフォンのフルセグ/ワンセグもNHK受信料負担義務が発生するので、地上波/衛星放送は観ないというユーザーには、逆にありがたい。
ワンセグ/フルセグの代わりというわけではないが、Xperia 1 IIIにはFMラジオの受信が可能なので、災害時などの非常時にはFMラジオで情報収集ができる。対応周波数は最大108MHzなので、ワイドFM(AMラジオのFM放送)には対応しているが、ハイブリッドラジオ(インターネット配信radikoとの連携サービス)には非対応となっている。

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