東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部(旧 次世代通信推進課note)連動企画 第27回
連載:【都庁でやってみた!KPT】振り返りと改善 東京都のデジタルシフト最前線・インタビュー Vol.2
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東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。
都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。
前回の紹介記事はこちら。
■連載:【都庁でやってみた!自主勉強会】ダッシュボードを活用したアクセス解析実践講座 東京都のデジタルシフト最前線・インタビュー Vol.1
※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画
東京都のデジタルシフト推進を担当しております西村 唯と申します。
デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出す「スマート東京」の実現に向けて、様々なチャレンジを都庁で行なっております。
前回のVol.1【都庁でやってみた!自主勉強会】ダッシュボードを活用したアクセス解析実践講座に続いて、今回のVol.2では【都庁でやってみた!KPT】振り返りと改善をお届けします。
Vol.2のタイトルに関連しますが、私達がデジタルサービスを作る際に宮坂副知事は「作って終わりじゃない。作ってからがスタートだ!」とアドバイスを下さいます。
常に都民やユーザーの声を聴きながら、デジタルサービスを磨き上げることによってQOS(Quality of Service)・QOL(Quality of Life)の向上に貢献していく。
この方針について、デジタルサービスを担当する都庁職員がしっかりと腹落ちして「自分事」として行動をしていくことが課題だと、僕は思っていました。
この課題を解決するために、アジャイル開発における振り返りの手法であるKPTを「都庁でも、やってみよう!」と一念発起し、KPTを活用した振り返りと改善の取組に参加された玉田 辰哉さんにお話を聞きました。
※KPTとは
KPTはKeep/Problem/Tryの略で、アジャイル開発の振り返りのフレームワーク。
Keep:良かったこと、今後も続けること
Problem:悪かったこと、今後はやめること、課題であること
Try:磨き続けること、課題の解決に取り組むこと、次に挑戦すること
※アジャイル開発とは
アジャイル(agile)という言葉の意味に「素早い」、「機敏な」、「頭の回転が早い」というニュアンスが含まれています。アジャイル開発はシステムやソフトウェアの開発手法のひとつで、「計画→設計→実装→テスト」の開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返す。
Vol.2の話し手
唯:お疲れ様です。まず初めに簡単な自己紹介をお願いします。
玉田:2015年入庁の6年目職員の玉田です。初期配属の建設局で4年半勤務の後、2019年10月に戦略政策情報推進本部に異動しました。
現在は東京都版society5.0であるスマート東京の実現に向けて、先行実施エリアに位置付けられる西新宿エリアを担当しており、西新宿スマートシティ協議会やスマートポールなどの業務に取り組んでいます
これまでの都庁における振り返り方法と頻度
唯:ありがとうございます。西新宿スマートシティ協議会の取組、ご一緒させてもらっていて光栄です。それでは、早速本題に移りましょう。
KPTを活用して、2020年11月に開催した「新しい生活様式 なるほど博」の振り返りと来年度のアクションプランを議論しましたが、これまでの事業の振り返りを行なう方法や頻度を教えて下さい。
玉田:これまでは事業の振り返りを定期的に行なうことをあまりしてきませんでした。自分の担当業務範囲が明確になっている仕事が多かったこともあり、みんなで振り返るという機会はほぼなく、年度末の異動の際に「引継ぎ書」を作成するために1年の振り返りを行なっていました。
KPTを通じての「学び」と「気づき」
唯:そうだったのですね。都庁では定期的な異動がある為、3月中旬から繁忙期となりますね。初めて参加されたKPTを活用した振り返りと改善の取組を通じて、何か学びや気づきはありましたか?
玉田:まず、チームの全員で振り返ることがこんなに有意義なことなのだと驚きました。業務の振り返りを言語化し、他の人の意見を聞くことで、新たな気づきがあり振り返りに深みが出てきました。
また、KPTのようなフレームワークを活用してPJの全員が参加して、全員が意見を言い、議論をしやすい環境ができることが学びでした。
日々業務を振り返り、常に改善していくという姿勢していくという姿勢の重要性を肌で感じることができました。
唯:なるほど。KPTを通じて多くの気づきや学びがあったのですね。
日々の業務が忙しい中、PJメンバーが全員で集まって、全員が自分の意見をちゃんと言える機会にもなったようで、KPT活用を提案した僕にとって、非常に嬉しいフィードバックです! ありがとうございます。
KPTで難しかったことや苦労したこと
唯: ちなみに、玉田さんは「第2回 TOKYO Data Highwayサミット」の振り返りと改善に向けてKPTのファシリテーターにもチャレンジされていましたね。その際、難しかったことや苦労されたことはありましたか?
玉田:KPTでは参加者から多様な意見が出てきます。ファシリテーターとしてはどのようにまとめながら進めていくかが課題でした。
同じような意見をまとめ、議論の筋道を見えるようにすることは大事ですが、一方で綺麗にまとめすぎるとせっかく出てきた貴重な意見を削ってしまう可能性があります。その塩梅は難しかったですね。
唯:たしかに。その見極めとバランスが重要だと思います。
ファシリテーションスキルは「打席に立つ回数」と、KPTの参加者から「フィードバックのシャワーを浴びる回数」を増やしていくことで能力を高められる、と僕は思っています。
今後におけるKPTの活用
唯:今後、KPTを担当されている事業やPJにどのように活用していけそうですか?
玉田:現在の私の担当業務は、庁内関係部署に加え、西新宿の街に関わる方々の意見を聞きながらアジャイルな取組を進めることが求められています。
そのためには日々の振り返りがとても重要です。率先してチーム内でKPTを定期的に行なう場を作っていきたいです。
唯:これからは玉田さんが率先してKPTを定期的に行なっていかれるのですね、素晴らしいと思います!
早速ですが、3月5日に実施した「西新宿スマートシティ協議会」の振り返りと改善に向けてのKPTを、玉田さんにリードしてもらいたいです(笑)
これからも玉田さんのチャレンジを、微力ですが僕も応援させて下さい。
本日は貴重なお話、どうもありがとうございました!
東京都のデジタルシフト最前線・インタビューVol.2を、現場からお伝えしました。
次回は【東京備蓄ナビ】いつか来る災害に備えよう! をお届けいたします(Vol.3に続く)。
■話し手
玉田 辰哉 戦略政策情報推進本部 ICT推進部 次世代通信推進課 次世代通信推進担当 主任
2015年入庁。西新宿スマートシティPJ、スマートポールPJを担当
■聞き手
西村 唯 戦略政策情報推進本部 デジタルシフト推進担当課長
2019年入庁。西新宿スマートシティPJ、東京テックチーム、つながる東京、東京都各局のDX支援、東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト等を担当
■撮影
豊丸 兼爾 戦略政策情報推進本部 ICT推進部 次世代通信推進課 次世代通信推進担当 主事
2015年入庁。TOKYO Data Highwayに係る各種会議体運営、5Gワンストップ窓口を担当
◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo