2021年も半分が終わり、季節は梅雨。猫との出会いもあまり期待できない季節。というわけで、今年前半に撮った写真から外猫編といきたい。
今年もいろんなカメラで猫と出会ってはレンズを向けてきたので、ちょいと連載から漏れた猫写真たちをセンサーサイズ別に見ていこうというわけである。この連載では毎回それなりにテーマを持って流れを考えつつ写真をセレクトしてるのでどうしても漏れちゃうカットが出てくるのだ。
最初はフルサイズセンサーの名機、2021年を代表するカメラとしてGFX100Sと二分しそうなソニーのα1だ。フラッグシップ機に相応しい超高性能モデルなのにボディーはαシリーズらしいコンパクトさ。価格もフラッグシップなのでおいそれとは手を出せないのだけれども、特にAFと連写がすごい。
この連載でα1を取り上げたときは、α1ならではの高速AFや高速連写を活かしたカットを採用したので、ここではα1ならではってわけでもなんでもない普通の写真を。
どこぞのおうちの門扉の前にちょこんと座ってた猫を撮ったもの。このちょこんという感じが気に入ってる。通りがかったじいさまがあそこの家が世話をしてるんだよ、と教えてくれた(後ろに写ってる家ではないけど)。
ソニーのαシリーズは猫瞳AF対応とAF追従性能が高いのがよい。
個人的に使ってるのはコンパクトで持ち歩きやすい(しかも価格も手頃な)α7C。今年に入ってすぐ馴染みのカメラ屋さんでα7Cを買ったのである。α7Cの携帯性を損なわないようコンパクトな単焦点レンズで使うことが多い。
カメラを買うときはバッグにモバイルバッテリーとメモリカードを入れていく。今のカメラは購入時は充電がゼロ、あるいはゼロに近いものが多いけど、USB充電できるので買ってすぐお茶しながら充電してすぐ使うのだ。すぐ使いたいってのもあるし、初期不調があったらイヤなのでとりあえずひととおり試したいから。
α7Cを買った日、その足でぶらぶらと暗渠やら路地やらをカメラを持って散歩したのだが、そのとき、とあるアパートの階段に猫がいたのである。でも正面から見える位置だとちと遠い。望遠レンズは持ってない。どうしようかなと思ったら、こそっと覗ける場所があったので思わず1枚。そっと覗いてみてごらん感が出たのがおもしろい。
さらに真冬に撮った写真だけど、きれいな青空の写真を見たくなる季節かなと思って引っ張り出してきた。
もう1枚は24mmの広角単焦点でローアングルで撮った縁の下猫。小雨がぱらつく中、たぶん雨を避けていたんだろう。こういう隠れた場所に猫は似合うのだ。
フルサイズセンサー機からもう1枚、パナソニックのS5で撮ったお寺の猫。卒塔婆をちょっとだけ入れてみた。これは猫瞳AFはないけど猫認識はしてくれるのだ。
続いてAPS-Cサイズセンサーのカメラへといきたい。冒頭写真は私物の富士フイルムのX-T4で撮った猫。めっちゃ人なつこくて目の前で大あくびをしたのでその隙に広角で。町をうろうろしてる地域猫にしては歯がしっかりしてて立派である。
X-T4はAPS-Cサイズセンサーカメラでは一番のお気に入り。撮影モードダイヤルがなく、その時々に応じてでシャッタースピードやISO感度や絞りをダイヤルでさっと回せるのですごく感覚的に使える。猫瞳AFを搭載してくれればなおよし、である。出たばかりのコンパクトな望遠ズーム70-300mm F4-5.6を借りて今まさに軒から飛び降りようとしてる猫をアップで狙ってみた。真剣なまなざしがいい。
最後はマイクロフォーサーズで締め。オリンパスのE-M1 Mark II。まあ一世代前の製品なのだけど、ずっと愛用してる。これと同社の12-100mm F4のカップリングがあまりに便利なのである。で、大都会の片隅でひっそり生きてる黒猫がこっちへとことこと歩いてきたので、とっさに撮ったのだった。
次回も2021年上半期お蔵出し編、続きます。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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