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「らくがきを動かしたい」という情熱、「らくがきAR」なぜおもしろい
2021年06月26日 11時00分更新
なんでも作る会社、Whatever inc.
関氏は、「Whatever inc.は、なんでも作る会社なんです」と話す。
同社の手がける事業は幅広く、自社プロダクトとしてのスマートフォンアプリを開発するだけでなく、大手企業の玩具のシステム部分、企業内で使うコンテンツ管理システム(CMS)、ロボットのほか、再生している楽曲の歌詞が表示されるスピーカー「COTODAMA Lyric Speaker」や、最近では、UHA味覚糖、コクヨとの協業で、一定の時間で溶けるようにデザインされたミントタブレット「minute mint(ミニット ミント)」なども手がけている。
関氏が話すように、また、社名の「Whatever=なんでも」が物語ってもいるように、まさに「なんでも」手がけているクリエイティブスタジオだ。だが、同社が開発に携わったプロダクトは、どこかウィットに富んでいて、機転によって、日常生活に閃きを与えてくれるという共通点を持っているように思う。
らくがきARもまた、紙やノートに描いた「らくがき」が、ARで動き回るという、面白みに溢れたアプリだ。
「2011年から、『らくがき』を用いたコンテンツを色々と作ってきました。『らくがきモンスターズ』や『らくがきプラネタリウム』、それに2017年リリースの『らくがき動物園ポケット β』は、これまでの知見を活かして作った作品で、そこで使われたらくがき検出システム『anyscan』と、 2D骨格検出エンジン『Honeborn』は、らくがきARのベースにもなっています。
当時、iOS 11で開発者向けにARキットが提供されるという話を聞いて、開発に着手しましたが、ちょうどその頃、dot by dotとPARTY New Yorkが一緒になってWhatever inc.という組織に生まれ変わったり、そこにココノヱが合流したりという時期で、社内がかなりバタついていたのと、私たちが思うようなかたちでリリースする機会がなかなか持てませんでした。でも、2017年の時点で、らくがきARの基礎となる部分は、ほとんど完成したと記憶しています」(関氏)