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コールドストレージの価格でホットストレージを提供

Amazon S3互換の低価格ストレージを手がけるWasabiが日本進出

2021年06月24日 15時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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 オブジェクトストレージサービスのWasabi Technologiesは、アジアパシフィック(APAC)での事業拡大に向けて、日本国内にAPAC本社を設置。APAC地域では初となるパブリッククラウドサービスの拠点を、東京都内にあるNTTコミュニケーションズのデータセンターに展開。年内には、国内2つ目のデータセンターを開設する予定であるほか、APAC地域でのデータセンターの設置も検討しているという。

Amazon S3の1/5のコスト S3互換のAPIを提供

 Wasabi Technologiesは、米マサチューセッツ州ボストンに本社を置き、2015年に創業。2017年からクラウドストレージサービスを開始している。米国、欧州にデータセンターを設置。社員数は150人以上に達する。また、顧客数は2万5000社以上となっており、メディア&エンターテイメント、研究開発、ヘルスケア、教育、公共、エネルギー、金融機関、製造業など多岐に渡る。メディア&エンターテイメント分野では米CBSが導入しているほか、米国の約600校の大学などにも導入されている。

Wasabiの最新動向

 日本では、グローバル展開する大手企業が数社導入しているほか、大規模な研究所での導入の検討が始まっているという。全世界で約5000社のマネージドサービスパートナーがあり、間接販売が中心となっているのが特徴だ。そのほか、デル・テクノロジーズやHPE、AWS、オラクル、Veeamソフトウェアといったテクノロジーパートナーとも連携している。

 Wasabi Technologiesのデビッド・フレンド(David Friend)CEOは、「Amazon S3と比べて5分の1の費用で利用でき、さらにAmazon S3と互換性があるAPIを提供しているため、Amazon S3に対応した既存アプリケーションの活用を可能にしている。最も急速で成長しているクラウドストレージサービスであり、過去3年間での収益成長率は3倍になっている。IDCによると、世界で6番目の規模を持つクラウドストレージベンダーであり、様々な企業や研究機関から、監視カメラやボディカメラなどの画像情報、様々なセンサーの情報、医療情報などを預かっている」などと述べた。

Wasabi Technologies デビッド・フレンド(David Friend)CEO

 また、「低価格で提供できるのは、同時に多くのドライブに書き込みができるアーキテクチャを採用するなど、クラウドストレージのエキスパートとして、絶対的な効率性を追求し続けてきたことが理由である」と述べた。

安い、速い、堅牢なwasabiの技術的な優位点

 日本法人のWasabiテクノロジーズジャパンの代表執行役員社長に黒田和国氏が就任した。黒田社長は、APAC地域事業副社長を兼務し、日本のほか、韓国、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドなどを含むAPAC地域全体の事業を指揮、統括する。「コロナ禍においては、コスト削減が求められながらも、セキュアにデータを管理することが求められている。Wasabiが救世主として、経済を良くしていくための貢献をしたい」と述べ、技術的な優位点を説明する。

Wasabiテクノロジーズジャパン 代表執行役員社長 黒田和国氏

 Wasabiは、AWS S3よりも80%安い「Price」、迅速なアップロードおよびダウンロードが速い「Performance」、データセンターの冗長性や11×9(イレブンナイン)のデータ耐久性を実現する「Protection」の3点が特徴だとする。

 Wasabiが提供するクラウドストレージの定額料金は、1TBあたり月額6.99ドル。また、出力ダウンロードと、APIリクエストが無償であり、「これはすべてのハイパースケーラーのストレージプロバイダーにはない魅力的な特徴となっている。とくに、IoTのように出し入れが多い場合に効果を発揮する。複雑なストレージ階層はなく、コールドストレージ価格で、ホットストレージを提供できる」(黒田社長)とした。社名のWasabiも、「取り出しが速いホットストレージサービスだけを低価格で提供するのがWasabi。ホットは英語で辛いという意味もあり、辛いという象徴からワサビを社名につけた」(黒田社長)という。

既存のクラウドストレージよりも大幅に安い料金

 IDCの調査によると、Wasabiは、IDC Marketscapeの「コンテンダー」に位置づけられており、「メジャープレーヤーに近いボジションという点ではオラクルを上回る」としている。

 また、最先端のハードウェアテクノロジーを活用するとともに、ソフトウェアに対する大規模な投資を行うことで実現したWasabi独自の高速ファイルシステムにより、大幅なコスト削減とパフォーマンスの向上を実現。「さまざまな計算スレッド数にわたる1MBオブジェクトの書き込みパフォーマンスでは、すべてにおいてAWSを超えた。他のパブリッククラウドオブジェクトストレージプロバイダーよりも高速であり、同時、エクサバイト規模のストレージを提供することができる、高度に分散したアーキテクチャを実現している」とした。

 さらに、セキュリティについては、11×9(99.999999999%)のデータ耐久性、アップロード時とダウンロード時に、90日ごとのデータ整合性のチェック、転送中および保存中のすべてのデータを暗号化するほか、オプションとして、偶発的な削除や変更を防ぐ不変パケットを用意。強力なIDとアクセス管理とMFA多要素認証を提供し、プライバシーやセキュリティ、データセンターの業界標準規格にも準拠しているという。

Wasabiの高いセキュリティ

 グローバルには、エクイニクスやデジタルリアルティなどのデータセンターを活用。Wasabiストレージと顧客のコンピューティングリソース間の高速相互エクスチェンジも可能にしている。さらに、AWS S3およびIAM APIを完全にサポートし、Amazon S3に対応した既存アプリケーションが可能であり、「バックアップ、ディザスタリカバリ、コンテンツデリバリーなどのさまざまなアプリケーションが利用でき、350社以上のテクニカルアライアンスパートナーとの連携を行なっている」とも述べた。

 加えて、Wasabiの管理コンソールは、「AWSのコンソールとほぼ同じように作られており、AWSに慣れているユーザーであれば、そのまま利用できる」とアピール。その上で、マルチテナントアカウント管理プラットフォーム「WACM(Wasabi Account Control Manager=ワッキャム)」により、APIを介してWasabiをパートナー独自のプラットフォームに統合できるといった特徴も強調した。

 現在、日本国内ではNTTコミュニケーションズ、NTTPCコミュニケーションズが、販売を行なうマネージドサービスパートナーとして展開。国内におけるマネージドサービスパートナーの拡大に向けて、数社と話をしている最中だという。

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