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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第24回

一日中装着できる、Teams認定デバイス「Surface Headphones2+」

2021年06月18日 09時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&ウェブアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はMicrosoft Teams認定デバイスのSurface Headphones 2+に注目した。

オンライン会議に使うヘッドセットの決め手がない

 海外の登壇者が参加するオンライン会議/インタビューは通訳が同席することが大半ながらも、そこでよく見かけるのはiPhoneのEarPods。ケーブル部分に物理的マイクやボリュームボタンが安心感を与えるのか、比較的使用頻度が高いように感じる。筆者もあれこれとデバイスを試してみたが、一日中ヘッドセットを装着する立場ではないため、さほど執着してこなかった。だが、EarPodsと洋服のこすれる音がノイズとして聞こえてくると、コロナ禍で精神的余裕がないのか「イラッ」とするようになってきた。そこで改めてヘッドセットを入手しようと見回したところ、目に付いたのが2021年5月6日から出荷を開始した「Surface Headphones 2+」である。

Surface Headphones 2の法人向けモデル「Surface Headphones 2+」

最長15時間のオンライン会議に対応するSurface Headphones 2+

 発売済みのSurface Headphones 2Surface Headphones 2+の技術仕様書を比較するとヘッドホン側の仕様変更は少なく、オーディオコーデックとしてAptXが使用可能な「Microsoft Surface USB Link」が付属し、後述するMicrosoft Teamsボタンがミュートボタンから置き換わった程度の差だ。早速手元のSurface Laptop 4とBluetoothペアリングしてみたが、当然ながら何ら問題なく接続完了。「Surface Audio」もUWP版を用意しているので、設定や更新がPC単独で済むのは我々PCユーザーにはありがたい。Webブラウザーを起動して適当な動画を視聴してみたが、初代Surface Headphonesよりもノイズキャンセリング機能は優れており、常用していたソニーのWH-1000XM3よりも軽やかな装着感だ。

Surface Headphones 2+を装着した状態。

 ちょうど到着時はオンライン会議の参加予定があったのでSurface Headphones 2+の設定を行ってみたが、ここで軽いトラブルが。相手の音声が耳に聞こえてこないのだ。試行錯誤やデバイスの初期化なども試してみたが結果は変わらず。付属する3.5ミリオーディオケーブルを試したところ、相手の音声がヘッドセットから聞こえてきた。Bluetoothプロファイルの誤選択が原因だと仮定し、Windows 10 バージョン21H1のデスクトップPCとBluetoothペアリングしたところ、「Surface Headphones Hands-Free AG Audio」の選択が可能になった。

デスクトップPCとBluetooth接続した状態。「ヘッドセット」が選択できる

 Surface Laptop 4にインストールしているWindows 10 Insider Previewが原因なのか確認するため、別PC(Surface Pro 7)でもBluetoothペアリングしたところ同様のトラブルが発生する(Surface Headphones Hands-Free AG Audioが使用すると思われるLE Surface Headphonesデバイスはいずれの環境でもインストール済み)。そこで付属する「Microsoft Surface USB Link」をSurface Laptop 4に取り付けたところ、ケーブルレスのヘッドセット環境が完成した。本製品は図で示した簡易マニュアルのみ同こんし、詳細な解説書は用意していない(サポートページは存在するが、詳細情報は記載していない)。法人向けデバイスである以上、現場の混乱をなくすような改善を求めたい。

SurfaceシリーズはMicrosoft Surface USB Linkを装着することで「ヘッドセットイヤフォン」が選択できる

 さて、Bluetooth接続では無反応だったMicrosoft Teamsボタンも動作する。同ボタンはバックグラウンドに回ったMicrosoft Teamsのウィンドウをアクティブ化するものだが、最小化(通知領域に格納)時や未起動時は応答しない(詳細はサポートページ参照)。これはMicrosoft Teamsを常に起動(常駐)させておくことを前提にしているからだろう。だが、筆者のように複数のオンライン発表会に出席すると、常に起動しておくクライアントが複数になるため現実的ではない。また、「うちの組織は○○が標準だ」とオンライン会議に用いるソリューションが異なるケースもある。ぜひ、次期バージョンでは、Windows 10の「設定」で応答するアプリの選択が可能になることを期待したい。

Microsoft Surface USB Link装着時はTeams認証デバイスとして検出し、LE Surface Headphonesのインストールが可能になる

 もう1つSurface Headphones 2+が優れているのはバッテリー駆動時間。Surface Headphones 2と同様に公式には最長18.5時間の音楽視聴、最長15時間のMicrosoft Teamsオンライン会議に対応し、一般的な就業時間を上回る。筆者は早朝にSurface Headphones 2+を装着して、オンライン発表会参加時はデスクトップPCで視聴、それ以外は適当なBGMを流し、オンライン会議はSurface Laptop 4を開いて参加。仕事を終えたらUSB Type-Cで充電すれば、翌朝にはフル充電状態となる(2時間未満で充電完了)。本稿執筆時点でSurface Headphones 2+を使い始めてから一週間ほど経過したが、今のところバッテリー切れに出くわしたことはない。

Surface Headphones 2は複数のデバイスとペアリングできるので、場面に応じて再生・通話先を切り替えられる

 コロナ禍以降は在宅勤務も増え、マンションのような集合住宅は近隣住宅の騒音も目立つようになってきた。Surface Headphones 2+の装着性と、左ダイヤルで素早く調整できるノイズキャンセリング機能は業務時間中に常時装着しても負担なく、家族との会話を邪魔することもない。Surface Headphones 2+は法人向けなので正確な価格をお示しすることはできないが、在宅勤務用の貸与デバイスとして所属企業の担当者におねだりする価値がありそうだ。

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