高速化が進んだ「BlueStacks 5」はスマホゲームがPCで最も快適に動作するかを比較して検証

2021年05月12日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII
提供: BlueStacks

低スペックのPCではエコモードの恩恵は大きい

 さて、今までは20万円相当の構成のPCでの動作だったが、やはり気になるのはどれぐらい低スペックのPCでも動作するかということ。最近では、GIGAスクール向けの4~5万円台と安価なPCを多種多様なメーカーが販売して話題となっている。

 そうしたPCは、インテルのCore i3どころかAMDのAシリーズ、インテルCeleronシリーズを搭載し、メモリーは4GB、ストレージはHDDどころかeMMCだったりする製品もあり、クラウドや外付けストレージを駆使しなければ厳しい場合も。

 そこで、今回は某生活用品を販売するメーカーがPCに採用していたインテル「Celeron N4100」を搭載したUMPC「GPD MicroPC」でも動作を確認してみた。

使用したのは2019年に発売したインテル「Celeron N4100」搭載版の「GPD MicroPC」。メモリー8GB、128GB SSDを備えている

 Celeron N4100は、4コア/4スレッド、1.1~2.4GHzと前述の検証で使った自作PCに搭載しているRyzen 7 3800Xとはコア数も動作クロックも圧倒的に低い。CPUの性能を計測するCINEBENCH R23のマルチコアのスコアーは、Celeron N4100が5515ptsのところ、Ryzen 7 3800Xが10409ptsと約1.9倍と、ほぼ倍に近いスコアー差がある。

左がCeleron N4100のスコアー、右がRyzen 7 3800Xのスコアー

 GPD MicroPCは、それだけ性能が低いため、BlueStacks 5をインストールすると、環境設定の“パフォーマンス”でCPUの割り当てが“中(2コア)”、メモリーの割り当ては“カスタム”の1800MBになっていた。

GPD MicroPCでのデフォルト設定

 その状態でBlueStacks 5を起動したのみでは、上記のようにCPU使用率はあまり上がらず、特に問題なく起動できた。ただし、ストレージの速度が遅いことも相まって起動速度は約22秒と、前述した自作PCの約7.62秒よりも倍以上の時間はかかっていた。

ちなみに、ストレージの速度を計測する定番の「CrystalDiskMark 8.0.1」での計測では、左のGPD MicroPCよりも、右のGen 4 SSDを搭載する自作PCの方が、シーケンシャルリードで6倍ほど速度が速いという結果になっている

 また、前述と同じくブルーアーカイブのプレイ中のCPU使用率はというとこちらはかなり高く、CPU使用率が80%台を推移し、大分余裕がないように思えたが、目に見えてキャラクターがスローで動くことも少なく、ギリギリ遊べるといったところ。

 ちなみに10fps設定でエコモードを使用すると、以下のようにCPU使用率が30%以下、メモリー使用量も200MBを下回り、大分余裕が生まれた。オートモードで安定してプレイを続けたいなら、エコモードは非常に有効そうだ。

BlueStacks 5は持ってるPCの性能が低い
という人にも試して欲しいアプリだ

 以上でBlueStacks 5の検証と紹介を終えたい。BlueStacks 5は、PCでAndroid用アプリが使える従来からの汎用性の高さに加え、軽量化や最適化が進み、より性能の低いPCでの安定動作が期待できる。

 ただし、今回は触れなかったが、フレームレートを計測するアプリでフレームレートの推移を見ると、スタッタリング(カクツキ)が多く、スムーズに動作していないことが多いという結果も。

 BlueStacks 4では、そのようなことがないのでベータ版であるBlueStacks 5は、まだゲームによっては、映像の出力がスムーズに行なえない場合もありそうだ。正式版までに、今の高速化のままゲームの動作の最適化が進み、快適にゲームが遊べるようになることに期待したい。

 BlueStacksは、巣籠需要で自宅でゲームをプレイすることが増えた昨今、スマホの電池を気にせず、かつ複数のゲームを同時に進めたいという人には重宝するアプリだ。

 外出自粛したものの、自宅のPCが古い、もしくは低スペックで安価なPCで性能が低く、他のAndroidアプリプレイヤーの動作が重い、フリーズするといった人は、より高速化して“メモリ解放”や“エコモード”といった機能も備えた、軽量化を追求したBlueStacks 5を試してみるのも一興だろう。

(提供:BlueStacks)

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