●デザイン、映像、音を司るM1
ブラウン管時代のiMacのように中央が盛り上がっている意匠はかわいらしかったのですが、そのふくらみもなくなり、シンプルを極めた直線になりました。
さらに驚かされるのが4.46kgという軽さです。あまり推奨されないかも知れませんが、家の中でも、普段はデスクで使っていて、リビングルームに持って行ったり、キッチンに置いてみたり、家の中でも色々持ち運んで楽しめそうです。
そのデザインを実現できた理由こそ、今回最大のニュースであるApple Silicon、M1へのチップ変更でした。ロジックボードが小さくなり、またサーマルデザイン(熱設計)もより小型化することができたため、今まで画面の後ろに入り込んでいたコンピュータの心臓部が、ディスプレーの下に設けた「あご」の部分で完結。こうして一定の薄さで実装できたというわけです。
そのあごには、大きな音でも振動を打ち消し合うフォースキャンセリングウーハーを備える6スピーカーシステムが内蔵され、空間オーディオにも単体で対応できる実力を備えます。AirPods Proのような頭の動きとの連動はありませんが、映画を観ているときに後ろから回り込んでくるようなサラウンドが楽しめます。
カメラは1080pへとアップグレードされ、マイクもビームフォーミングを持つ3つのマイクシステムとなりました。音声の再生、録音、映像の録画に至るまで、大幅な品質向上が期待でき、これらはM1の処理性能を生かした結果と位置づけることができます。
21.5インチiMacに比べて、処理性能85%アップ、グラフィックス性能は最大200%向上。しかも機械学習コアも入ってきました。
アップルはApple SiliconのMacについて、クロック周波数やバージョンの違いなどを示すことなく、M1はM1としてiPad Proに採用しています。これらのチップは同じものだそうです。
しかし熱設計が違うため、MacBook AirやMacBook ProのM1モデルよりも、高負荷時の性能持続時間などで、iMacは優位性を示すことになるでしょう。電源も異なるため、ベンチマークとして差があらわれるかは、実機を待つ必要があります。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ












