静音でゲーム+メインマシンという使い方にもピッタリな高性能マシン
最新第11世代CoreとRTX 3070をガッツリ冷やす“デュアル水冷”、ハイエンドかつコンパクトなゲーミングPC「G-Master Hydro Z590-Mini」
2021年04月28日 11時00分更新
120mmラジエーターのコンパクトな水冷クーラーを2つ採用
採用しているケースは、Fractal Designの「Define Mini C」。コンパクトなミニタワーケースながら内部スペースが広く確保されており、大型のビデオカードも余裕をもって装着できるほどだ。
また、電源部にはカバーがつけられており、見た目が悪くなりがちなケーブル類を隠せるよう工夫されている。裏配線を駆使すればケース内にほとんどケーブルがなくなり、通気性がよくなるだけに、見た目だけでなく、性能面でもメリットのある構造となっている。
もちろんG-Master Hydro Z590-Miniでは裏配線を多用。水冷クーラー2つとGeForce RTX 3070搭載ビデオカードが詰め込まれているため、さすがにスペースに余裕は少なめだが、それでも余計な配線は見られず、スッキリとした内部となっていた。このあたりの組み立てへのこだわりは、さすがサイコムだ。
最大の特徴となるのが、CPUもGPUも水冷クーラーで冷却されているという点だ。とはいえ、ミニタワーケースではさすがに2つの水冷クーラーを内蔵するのはスペース的に厳しく、少々イレギュラーなものとなっている。
まずはCPUクーラーからみていこう。120mmラジエーターを採用したASETEK製「650LS RGB」をカスタマイズしたものが使われており、水冷ポンプ部分のサイコムロゴが光る仕様となっている。
今回試用したG-Master Hydro Z590-Miniに搭載されているCore i7-11700KはハイスペックなCPUなだけに、120mmラジエーターで十分冷やせるのか少々不安に感じてしまう。これは後述するが、先に結論を書いてしまうと、まったく問題ない温度で動作していたので安心してほしい。
気になるのが、ラジエーターが前面部に取り付けられていること。ファンの向きは吸気方向になるため、せっかくCPUから移動した熱が、ケース内に拡散されてしまうことになる。
これだと時間が経つにつれケース内温度が上昇し、クーラーの冷却性能が落ちてしまうのではないか……と心配になるが、これは杞憂だ。その理由は簡単で、ラジエーターには常に冷たい外気が送り込まれるため、ケース内温度が多少上がろうとも、CPUの冷却能力への影響はないからだ。
もちろんケース内温度が上がってしまわないよう対策もとられており、それが、天面に取り付けられたケースファンだ。熱は上部に溜まりやすいだけに、この配置は理にかなっているといえるだろう。
今回のような取り付け位置が限られるコンパクトなケースでは、どこにパーツを取り付けるのかはBTOパソコンメーカーの腕の見せどころ。あえて前面部にラジエーターを配置し、天面へケースファンを追加したというのは、サイコムが培ってきた組み立てのノウハウと時間をかけたテストの結果だ。
ビデオカードの水冷クーラーは、独自に加工して装着したもの。こちらもASETEK製の「740GN」が採用されており、ラジエーターは120mmとなっている。
ラジエーターの装着位置は、通常であればケースファンが取り付けられている背面側。熱は直接外部へと排出されるため、ビデオカードの水冷クーラーでケース内温度が上がる心配はない。
ただし、ビデオカード用水冷クーラーのラジエーターはケースからの排気で冷却されるため、CPUクーラーによってケース内温度が高くなると、冷却効率は落ちてしまう。この対策として、前面に吸気ファンが装着されている。
熱の動きをわかりやすくいうと、CPUの水冷クーラーから出た熱は天面ファンで多くが排出され、ビデオカード側へは前面の吸気ファンから冷たい外気が送り込まれているわけだ。
なんとなくでパーツが配置されているのではなく、空気の流れや熱の動きまでしっかり考えられて配置されているあたり、長年BTOパソコンを手掛けるサイコムらしさがある。
実際どのくらいの温度で動作することになるのかは、のちほど検証していこう。
そのほか、試用機のメモリーにG.SKILLの「G.Skill Trident Z RGB」シリーズが採用されていた。ヘアライン仕上げのヒートスプレッダとRGB LEDの組み合わせがカッコいい。加えて、LEDストリップも備えているので、電源をオンにするとケース内部を彩ってくれる。レインボーに輝くメモリーと、単色のLEDストリップやサイコムのロゴの光により、派手過ぎず控えめ過ぎずというバランスのいいライティングになっているのも魅力だ。