このページの本文へ

セブンアールジャパンの西川氏、中嶋氏、Cooler Masterの神崎氏にインタビュー

BTOPCでは唯一無二! ペルチェ素子採用Cooler Master製CPUクーラーで驚きの冷却を発揮する、i9-11900K搭載「ZEFT G32-ZERO」誕生秘話

2021年04月20日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

現代に蘇るペルチェ素子の高い機能性
負荷を掛けても50℃を超えない実力

ーー今日はよろしくお願いします。まずは、ML360 SUB-ZEROを採用するに至ったいきさつを教えていただけますか?

西川 龍氏(以下、西川氏):はい。第11世代Coreプロセッサーが登場するにあたって、当然のことながら弊社も搭載モデルを用意することになりました。ですが、事前に聞いている話では、最上位モデルのCore i9-11900Kは、消費電力が高く、発熱も大きいということでしたので、お客様に満足いただくためには、組み合わせるCPUクーラーには、それなりに高い冷却性能が必要と考えていました。

 そこで、CPUクーラーを選定している際に、Cooler Masterさんからペルチェ素子を使った製品が出るということだったので、これだ!と思い採用する運びとなりました。

ーーペルチェ素子って懐かしいですね。Pentiumの頃とか、オーバークロックする際の冷却によく使われていた記憶があります。

西川氏:私も当時は自作ユーザーでしたので、ペルチェ素子と聞いて非常に懐かしい感じがしたのも、採用するキッカケの1つであったことは事実です。当時はまだ会社勤めだったのですが、自作が好きな上司に「自作はペルチェだよ」と言われたのをよく覚えています。

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):私達の世代になると、ペルチェ素子というのはあまり聞きなれておらず、最初お話をうかがった際は、一体何なのか疑問だらけでした。その後、ML360 SUB-ZEROのサンプルをいただき試してみると、驚くほどCPUが冷えて、電源が別途必要ではあるんですが、それでいて扱いやすさは従来の簡易水冷クーラーと大差ありませんでした。

今回のZEFT G32-ZEROについて説明するセブンアールジャパンの西川氏(写真左)と中嶋氏(写真右)、Cooler Masterのカントリーマネージャーの神崎氏(写真右)

ーー簡易水冷クーラーは仕組み上、室温以下にCPUの温度を下げることができませんが、ML360 SUB-ZEROを採用したZEFT G32-ZEROならできるということですね。

西川氏:はい。ペルチェ素子は半導体に電流を流すことで電子の移動により、金属の片面に放熱効果、もう片面に吸熱効果を生じさせることが可能となります。実際に「3DMark」とかいくつか実行してみたんですが、最もCPUに負荷が掛かっている状態でも50度を超えることはなかったですね。アイドル状態だとCPUの温度は一桁まで下がったので、背面からケース外に排気される風が涼しいほどです。

ML360 SUB-ZEROは、従来の簡易水冷クーラーより若干背が高い格好だ。360mmクラスのラジエーターは天板に装着されている

ーーペルチェ素子というと結露が心配なのですが、その辺はいかがですか?

西川氏:ZEFT G32-ZEROでは、まず電源投入時では、ML360 SUB-ZEROのペルチェ素子はオフになっています。そこで、プリインストールされているインテルのアプリを使用すると、デフォルトのStandardと、さらに冷却効果を高めた2つのモードを切り替えることが可能となっています。

 ちなみに、Standardでの動作は弊社の補償範囲内ですが、それ以外はお客様の自己責任となってしまう点はご理解いただきたいです。なお、こちらのアプリでペルチェ素子の効果を最大に設定すると、CPUの温度は氷点下にまでなってしまうほどなので、注意が必要です。

ML360 SUB-ZEROでペルチェ素子を利用するには、インテルが配布するアプリケーションが必要となる

ーーこのML360 SUB-ZEROを採用するのは、Core i9-11900K搭載モデルだけですか?

西川氏:ML360 SUB-ZEROがCPUクーラーとしてはかなりハイエンドのため結構高額ということもありまして、最上位モデルだけの採用になっています。下位モデルのCPUに、ML360 SUB-ZEROを組み合わせても、あまり需要はないのかなと思っています。ちなみに、詳しい計算はしていませんが、ZEFT G32-ZEROの価格は50万円を超える見込みです。

ーー御社ではRyzen搭載モデルが好調のようですが、RyzenでもこのML360 SUB-ZEROを使いたいという声は挙がると思いますが、その辺りはどうお考えですか?

中嶋氏:このML360 SUB-ZEROは、IntelさんとCooler Masterとで共同開発を行なったという経緯から、インテル製CPU、しかもLGA1200対応の第10世代と第11世代のCoreプロセッサにしか対応していません。ML360 SUB-ZERO搭載のRyzenモデルがほしいという声も出てくるかもしれませんが、そういった理由から現在のところ予定はありません。

COSMOS C700Mの前面側インターフェース。USB 3.0 Type-Aが4基に、USB 3.1 Type-Cが1基用意されている

一方こちらは背面側のインターフェース。Wi-Fi 6に対応した無線LAN機能も用意されている

ーーそれは少し残念ですね。

中嶋氏:弊社のBTOパソコンは、AMDさんのRyzen搭載モデルのシェアも高いのですが、それでもインテルさんのCPUを指名して購入される方もいらっしゃいます。自作経験がある方、豊富な方はCoreプロセッサーを選ばれる傾向がある感じがします。

 自作経験が豊富な方ほど、弊社西川のようにペルチェ素子に懐かしさを感じる方も多いと思いますので、まずはそこからZEFT G32-ZEROに興味を持っていただけるとありがたいですね。また、ZEFT G32-ZEROはかなりとがった仕様ですので、若い方の心にも刺さるマシンであると自負しています。

カテゴリートップへ