第3世代EPYCのラインナップは19製品
次にSKUについて。第3世代EPYCは次の19製品がラインナップされる。ただこのままだとややわかりにくいのでグループ別に並べたのがその下の画像だ。
Balanced & Optimizedは消費電力あたりの性能を最大に高める構成で、つまり一番消費電力(=電力コスト)あたりの性能が高いので、TCO削減につながるという仕組み。なお一番下の「7343(16C-155W 1P)」は「7343(16C-155W)」の間違い
スレッドあたりの性能を追求したCore Performanceが4製品、どれだけ多数のスレッドを同時に処理できるかにフォーカスしたCore Densityが5製品、その中間で性能と消費電力のバランスを取ったBalanced & Optimizedが10製品となっている。
価格まで含めたラインナップは下表の通り。メインストリームであるBalanced & Optimized製品の価格の安さはやや特徴的であるが、インテルも2 Socket以下向けのXeon Goldを結構価格を下げてきており、このあたりは激しい戦いになるものと想像される。
| スレッドあたりの性能を追求したCore Performanceのラインナップ | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Model Number | コア 数 | スレッド 数 | L3 Cache (MB) | 動作周波数(GHz) | TDP(W) | 1K 価格 | |||
| Base | Max Boost | Default | cTDP Min | cTDP Max | |||||
| 75F3 | 32 | 64 | 256 | 2.95 | 4.00 | 280 | 225 | 280 | $4,860 |
| 74F3 | 24 | 48 | 3.20 | 240 | 240 | $2,900 | |||
| 73F3 | 16 | 32 | 3.50 | $3,521 | |||||
| 72F3 | 8 | 16 | 3.70 | 4.10 | 180 | 165 | 200 | $2,468 | |
| 多数スレッドの同時処理に特化したCore Densityのラインナップ | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Model Number | コア 数 | スレッド 数 | L3 Cache (MB) | 動作周波数(GHz) | TDP(W) | 1K 価格 | |||
| Base | Max Boost | Default | cTDP Min | cTDP Max | |||||
| 7763 | 64 | 128 | 256 | 2.45 | 3.50 | 280 | 225 | 280 | $7,890 |
| 7713 | 2.00 | 3.675 | 225 | 240 | $7,060 | ||||
| 7713P | $5,010 | ||||||||
| 7663 | 56 | 112 | 2.00 | 3.50 | 240 | $6,366 | |||
| 7643 | 48 | 96 | 2.30 | 3.60 | 225 | $4,995 | |||
| 性能と消費電力のバランスを取ったBalanced & Optimizedのラインナップ | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Model Number | コア 数 | スレッド 数 | L3 Cache (MB) | 動作周波数(GHz) | TDP(W) | 1K 価格 | |||
| Base | Max Boost | Default | cTDP Min | cTDP Max | |||||
| 7543 | 32 | 64 | 256 | 2.80 | 3.70 | 226 | 230 | 245 | $3,761 |
| 7543P | $2,730 | ||||||||
| 7513 | 128 | 2.60 | 3.65 | 200 | 165 | 200 | $2,840 | ||
| 7453 | 28 | 56 | 64 | 2.75 | 3.45 | 225 | 225 | 240 | $1,570 |
| 7443 | 24 | 48 | 128 | 2.85 | 4.00 | 200 | 165 | 200 | $2,010 |
| 7443P | $1,337 | ||||||||
| 7413 | 2.65 | 3.60 | 180 | $1,825 | |||||
| 7343 | 16 | 32 | 3.20 | 3.90 | 190 | $1,565 | |||
| 7313 | 3.00 | 3.70 | 155 | 155 | 180 | $1,083 | |||
| 7313P | $913 | ||||||||
さて最後が性能。下の画像はEPYCだけでの性能比較であり、それぞれのコア数別に右端が第2世代EPYCという形になっている。また1つの基準として、16コアのXeon Silver 4216と28コアのXeon Gold 6258Rの性能も横方向の破線として示されている。
もともとZen 3コアを利用したことでIPCが19%アップ、という話はRyzen 5000シリーズと同じであり、EPYCであっても同じコア数・動作周波数であればやはり2割弱の性能改善が期待できる。
実際にいくつかの実例として、HPC WorkloadやCloud Workload、Enterprise Workloadなどを示し、第3世代EPYCはXeonはもとより第2世代EPYCと比べても大幅に性能が改善していることを示した。
もっとも使ってるのがSPECRate_2017とかSPECjbbというあたりでAVX512をまず使っていないベンチマークばかり、一方インテルは積極的にAVX512を使ったアプリケーションを全面に押し出してくるので、両者の主張を並べると話がまるで通じないのが困ったものなのだが、引き続きAMDとしては第3世代EPYCでも(Xeonと比して)高性能低価格路線を貫いていることは確認できたとは言える。

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