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PhotoshopやPremiere Proが快適に動作するかチェックしてみた

第10世代CoreとGTX 1660 Ti搭載で、写真・動画編集もサクサク快適な高コスパの15.6ノート「SENSE-15FX068-i7-RXSX」

2021年02月14日 12時00分更新

文● 周防克弥 編集●市川/ASCII

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ユニットコムのクリエイター向けブランド「SENSE ∞」の15.6型ノートパソコン「SENSE-15FX068-i7-RXSX」

 ユニットコムのクリエイター向けブランド「SENSE ∞」の「SENSE-15FX068-i7-RXSX」は、第10世代Core i7を搭載した15.6型ノートパソコンだ。前回はインターフェースなど外観のチェックを行なったが、今回は実用性を確認するべく、普段から頻繁に使用しているアプリケーションを実行し、その使い勝手を確認してみた。

驚異的な処理能力を持つクリエイティブ向けノート

 今回使用したアプリケーションは、写真レタッチの定番である「Photoshop」「Photoshop Lightroom Classic」「Adobe Premiere Pro」「DaVinci Resolve」の4つだ。

 まずはPhotoshop Lightroom Classicからチェックしていく。2400万画素のデジタルカメラで撮影したRAWデータ500枚を、PSD(16bit)形式とJPEG(最高画質)に書き出す時間を測定した。補正などは一切加えずにそのまま書き出しを行なっている。

CPUの稼働率は書き出しを始めるとすぐに100%まで上がる。書き出し時、GPUはあまり機能しない

 PSD(16bit)形式への書き出し約にかかった時間は約7分50秒。JPEG(最高画質)への書き出しは約7分10秒と早く処理ができている。十分に実用的な速度で処理ができ、業務用途での運用に十分対応できるだろう。1つ気になったのは、PSD(16bit)形式での書き出し時に、毎回ではないが、ストレージへの書き込み待ちが発生することだ。ストレージのSSDはNVMe接続されているのだが、CPUの書き出し処理が速くPCIe 3.0接続では追いつかないのかもしれない。

ストレージのアクセス率に注目。RAWデータ500枚をPSD(16bit)形式での書き出し時、全体の2/3くらい経過すると、たまにだがストレージの書き込み率が100%まで上昇。書き込み待ちが発生し、そのあいだCPUの動作が止まることがある。メモリーの使用量は約半分で搭載メモリー量の影響ではなさそうだ

 書き込み待ちによるCPUの待機時間が発生するが、今回試した感じでは500枚のRAWデータからPSD(16bit)形式への書き出し時に、2/3程度経過すると起きるようで、300枚程度の処理なら発生しない。とはいえ、毎回ということでもないので実際の作業への影響はそれほどないだろう。書き込み待ちが発生しない状況で、PSD(16bit)形式500枚の書き出しが8分弱、JPEGでも7分強とかなりの処理能力といっていい。

 Photoshop Lightroom Classicは現像処理を行なうだけのソフトではなく、修正やレタッチ機能も備えており、複雑な合成作業などをしない場合にはPhotoshop Lightroom Classicだけですむ場合もある。色温度の調整や明るさや色、変形などの基本的な部分はRAWデータから画像データであるPSDデータに変換する際に行なったほうが、PSDデータをPhotoshopで処理するよりもクオリティの損失が少ないと思われる。ちなみに、明るさや色の調整といった基本的な作業は、Photoshop Lightroom Classicで行なうことが多い。

 色や明るさは細かく調整しながらプレビューを見て判断しているが、プレビューの反映は早く、作業の妨げになるようなことはなかった。このあたりはディスクリートGPUを持つパソコンの利点の1つだ。内蔵GPU採用のマシンでは処理速度は早くてもプレビューの書き換え速度が十分でなく、少しずつ色や明るさを変更したときにプレビューの反映が遅れると思考が途切れてしまう。これによって作業性が低下することがあるが、ディスクリートGPUを持つ本機なら、少しのパラメーター変更にも即座に反映されるので作業性への影響はない。

拡大や変形などのプロセスではGPUが有効的に動作する。プレビューの反映は素早く快適な作業ができる

 次はPhotoshopで、さきほどのPhotoshop Lightroom Classicで書き出したPSD(16bit)形式のデータで検証。解像度は6000x4000ドット、ファイルサイズは約140MBとなっている。

 Photoshop Lightroom Classicもそうなのだが、PhotoshopではGPUの重要度はそれほど高くはない。内蔵GPUを使うかディスクリートGPUかで大きく操作感は変わるが、それほど高価なGPUは必要ではなく、ゲーム界隈ではエントリー/ミドルクラスのGPUに分類されるGeForce GTX 1660Tiでも十分な処理能力が期待できる。むしろ安価で発熱を抑えられるため、静止画を扱ううえでは最適なGPUといってよい。

 重要度は高くなくてもやはりディスクリートGPUが備わっている点は大きく、拡大や縮小といった単純な作業からレタッチ合成などのプレビュー表示は早く、そして快適な作業ができるはずだ。

拡大して細部をチェックする作業は頻繁に行なわれる。表示位置をドラッグするだけでもGPUの負荷は高い

ぼかしフィルターのプレビューではボケ量を調整すると即座にプレビューが反映される。このフィルターに限ったことではないが、プレビューの表示速度はかなり早い

 今度は動画編集ソフトのAdobe Premiere Proをチェック。デジタルカメラで撮影した約30秒の動画をつなぎ合わせて約10分の動画を作成し、MP4形式で書き出すのに要した時間を測定してみた。書き出しの設定はPremiere ProにプリセットされているYouTube用の設定を使用し、ファイル形式はMP4に変更している。

 4K素材から作成した約10分の4K動画を書き出すのに要した時間は約4分30秒。フルHD素材から作成した約10分の動画を書き出すのに要した時間は約1分40秒と、とても高速だ。4K動画を再生時間の半分以下で書き出せる。

 

GeForce GTX 1660TiのCUDAコアによるハードウェアアクセラレーションが機能し、書き出しは高速

エフェクトなどを適用してプレビューを確認する場合も素早く反映され、細かい調整を行なうのも快適だ

 DaVinci Resolveは、フリーで利用できる動画編集ソフトだ。Adobe Premiere Proと同じく約10分の動画を作成し、YouTube用のプリセットでMP4形式での書き出し時間を測定してみた。

 結果、4Kの書き出しにかかった時間は約11分で、フルHDは約4分となった。4Kで再生時間とほぼ同じ時間での書き出しが可能なのはなかなかの処理能力だ。Adobe Premiere ProよりはGPUによるハードウェアアクセラレーションの効果が薄く、CPUへの負荷が高め。Core i7-10750Hの処理能力の高さが伺える。モバイル用のCPUでこれだけの処理能力があるのは正直いって驚きだ。

CUDAコアを利用したGPUによるハードウェアアクセラレーションは機能しているようだが、ほぼCPUが主力で処理している

エフェクトやトランジションを使用したプレビューでもGPUのアクセラレーションは機能しているようだが、CPUのほうが負荷は高い

 ゲーム界隈的にはGeForce GTX 1660 Tiは入門クラスに近い扱いのようだが、僕が頻繁に業務で利用するアプリでは十分な性能といえる。もちろんより高性能なGPUであればより快適に早い処理が可能になると思われるが、発熱や価格のことも考慮するとバランスのよい組み合わせだと思う。

 CPUとGPUともに最新という組み合わせではないが、性能は十分あり、16GBのメモリーとNVMe接続のSSDを採用することで、カスタマイズせずとも即実用可能な状態が14万円前後で購入できるのは、とてもリーズナブルといっていいだろう。

試用機の主なスペック
機種名 SENSE-15FX068-i7-RXSX
CPU Core i7-10750H
グラフィックス GeForce GTX 1660 Ti
メモリー 16GB
ストレージ 500GB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレー 15.6型(1920×1080ドット)、IPS、ノングレア
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0
インターフェース USB 3.1、USB 3.1(Type-C)、USB 3.0、USB 2.0、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、有線LAN端子、ヘッドフォン/スピーカー出力、マイク入力
サイズ およそ幅365×奥行257.5×高さ34.1mm/約2.24kg
OS Windows 10 Home(64bit)

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