長年グラフィック世界の標準規格であったVGAも、映像との融合や液晶ディスプレーなどのディジタル機器の登場で、15年ほど前にDisplayPortと呼ばれる規格が登場した。
出荷が始まって比較的すぐに使っていた筆者だが、なんと最近になって、個人用に新しく買ったLenovoのThinkCentre M630e Tinyで、DisplayPortの思わぬトラブルに遭遇した。
34インチ21:9のLGの曲面ディスプレーを併用している筆者は、画面を3分割して、ブラウザー、テキストエディターやプレゼン作成アプリ、画像レタッチアプリなど、複数のアプリを開き横並で使うことが日常だ。
今まで、その状態のままランチに出かけて戻ってきてPCをスリープから戻しても、出かける前とまったく同じ画面配列が保たれており、それが普通だと思っていた。しかしある時、戻ってきたら3つのアプリウィンドウが3つとも大きく場所を移動し、左に固まっていた。元通りのサイズや配列に並べなおすのがなかなか面倒だった。
スリープをしなければ問題はないのは分かっているが、それ以外の解決法を試み、あちこち設定をいじってみたが状況は好転せず。困り果ててSNSで質問したら先人からとんでもないお話を聞いてしまった。
どうもこの手のトラブルは、マルチディスプレー環境のユーザーの間では既知のトラブルらしい。2nd、3rdディスプレーにマッピングしていたアプリが、スリープから復帰後はすべてが1stディスプレー上に集合したり、解像度の差がある場合にはアイコンの配列も大きく乱れてしまうようだ。
原因は分からないが、筆者の場合はなぜか1台のディスプレーなのに同様の怪奇現象が発生してしまったのだ。自分でネットを調べたり、先人のアドバイスを聞いたりしているうちに、いくつかの解決策がありそうなことは理解できた。
原因はどうもDisplayPortの仕様に問題があるようだった。DisplayPortの仕様は、ディスプレーの電源がオフになると"アンプラグイベント"と呼ばれる信号が発生し、その信号を受け取ったPCはディスプレーがなくなったと錯覚するようだ。
マルチディスプレー環境なら、Windowsは電源オンの別のディスプレーに現在表示されているすべてのウィンドウやアイコンを移動してしまう。単に移動するだけなので、ウィンドウやアイコンは重なって表示されたり、サイズや配列がとにかく画面に入るように一気に変更されてしまう。
この怪奇現象が筆者の場合はシングルディスプレーでも発生してしまった。原因は何となく分かったが、肝心なのはその対処法だ。SNSの先人のアドバイスを基にいろいろ調べてみた。
最初の解決法はまず筆者にはまったく向いていない「レジストリをいじる」、2番目は「ディスプレーケーブルに加えてHDMIケーブルの2本接続にして、後者を非使用設定にする」、3番目は「ウィンドウ位置を記憶するアプリを使う」、4番目は「ディスプレーが電源オフになってもその状態をPCに錯覚させるハードを使う」そして最後は「常にディスプレーの電源をオフしない」というものだった。
過去の経験から、この手のツールアプリをあまり信用していない筆者に向いた解決策は、4番目の好奇心も満足させるハードモノか、最後の「何もしない」解決案だった。結局、好奇心が先行して、4番目の「ディスプレーが電源オフになってもその状態をPCに錯覚させるハードを使う」に決めて、衝動買いするを選択した。

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