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日本初、即戦力化で効率化につながりやすい「チーム採用」とは?

2021年01月07日 06時00分更新

文● 吉田由紀子(ダイヤモンド・オンライン

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Photo:PIXTA

日本初!これからは
「チーム」で就職・転職の時代に

 ここ数年、働き方の多様化が進んでいる。リモートワークをはじめ、複数の仕事を行うパラレルワークや、リゾート地で休暇を兼ねて働くワーケーションなど、次々と登場している。終身雇用制が難しくなり、一つの組織に縛られていることがリスクになりかねない時代を迎えているのが現実だ。

 そんな状況を背景に、可能性を感じる働き方が登場した。それは「チーム採用」である。

 これまで就職や転職は個人で行うのが当たり前だったが、複数人でチームを組み、エントリーするのが、チーム採用である。

 Crewto(クルート)は、このチーム採用に特化したサービスで、業種や職種を問わず、チームと企業をつなぐマッチング事業を展開している。

「チーム採用」に注目した
きっかけ

 どういった内容なのかを代表取締役の市原孝志さんに取材した。市原さんはWEBディレクターとしてサイト制作だけでなく、新規サービスの立ち上げに関わり、前職においても新規事業立ち上げに携わっている。

Crewto(クルート)は、日本で初めてチームとして就職・転職ができるマッチングサービスである。写真は創業メンバー Photo:Crewto

「それなりの規模のサイトやアプリ開発となると最低でも3〜5人程度のメンバーが必要になります。ディレクター、デザイナー、アプリのエンジニア、バックサイドのエンジニアなどがチームとして開発します。内製で開発したいとなった場合、これまでは一人ひとり個別に採用していたと思いますし、前職でもそうでした。採用後はチームビルディングをする必要がありましたので、ならば初めからチームで採用した方が効率的ではないかと考えたのがきっかけです。また、ディレクターという職業柄もありますが、チームで仕事をすることが当たり前でしたので、キャリアも個人ではなくチームとして積み上げていきたいという思いもありました」(市原さん、以下同)

 この体験をもとに退職後、2019年5月にCrewtoを立ち上げ、2020年9月末にオープンβ版としてのサービスをリリース。現在28のチーム、約80名が登録している。WEBやアプリの開発が最も多く、グラフィックデザイン、マーケティング、営業、会計などを請け負うチームも揃っている。

チーム採用が
効率化につながりやすい理由

 なぜ、チーム採用が効率化につながるのだろうか?

「企業が仕事を発注する際、1人ずつ採用していくのは、コストも労力、時間もかかります。また採用する方、される方も、お互いのスキルや性格を探りながら仕事をする必要があります。人によっては新しい環境、組織に馴染むまで時間がかかる人も多いはずです。チームとしてジョインしてもらうことができれば、慣れ親しんだメンバーと働けるため、そのような転職における負荷を下げ、新しい組織においてもパフォーマンスが発揮しやすいはずです」

図版提供:Crewto
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 例えば、アプリを開発する場合、iOSとAndroidでは、使用するプログラミング言語が違う。スキルを判断して個別で採用したものの、どうもメンバーの連携がうまくいかないということもある。もちろん、それでもうまく仕事を進めていくのがプロではあるが、会社が望むような「チーム」になるには時間がかかる場合もある。やりやすい人と働くのは、働く側、会社側としても利点となるのではないだろうか。

採用側の企業や
登録しているチームの声

 採用する側はどう受け止めているのだろう? Crewtoに登録している企業に取材をしてみた。

 経営者のマッチングサイトを運営している株式会社オンリーストーリーは、開発エンジニアを募集している。

「知人からCrewtoを教えてもらったのですが、チーム採用という今までにないサービスに驚き、登録しました。これまでは人材を採用する場合は1名単位でしたので、どうしても時間がかかっていました。増員を目指していましたので、もっと迅速にできないかと悩んでいたところです。チームでしたら互いのスキルや強み、弱点もわかっていると思います。互いにカバーしながら作業を進めてくれると期待しています」(人事責任者・小林玲菜さん)

「弊社はプリクラやアミューズメント機器の開発を行っています。これまでエンジニアの採用に苦労していました。著名な求人媒体に出稿しても、なかなか採用に至りませんでした。システム関係の企業はどこもそうですが、慢性的な人材不足で、採用競争が激しい状態です。Crewtoはチーム採用ですから、一度に複数の採用が可能です。新しいアプリ開発を担当してくれるチームを採用したいと考えています」と話してくれたのは、辰巳電子工業株式会社・総務課の田中冴花さんである。

 登録しているチーム側にも取材を行った。システム開発を請け負う「Silver Bullet Club(シルバーバレットクラブ)はエンジニア3名で結成したチーム。代表の及部敬雄さんはこう話す。

「チームを大切にしているところに共感をして登録しました。3人のメンバーはいずれも本業を持っており、副業としてシステム開発を請け負っています。これまで様々な企業の案件を請け負ってきましたが、その都度メンバーを集めるのは大変な作業です。仕事を発注する側も苦労されていました。チームで対応すれば、その負担が軽減されると思います」

コロナ禍で副業希望の登録者増
追い風になるか

 これまで、フリーランスを集めてチームを作るサービスは存在していたが、チームとして就職、転職活動を行える事業は、Crewtoが日本で初めてである。

 新型コロナウイルスの影響によりテレワークが進み、自宅で働くようになった方も多い。出勤の必要がなくなったせいか、副業として登録する人が増えているという。

「現在、登録希望者の6割が副業希望です。1人で副業するのではなく、誰かと一緒にしたいという方が多く『チーム』の需要が広がっていくのではないかと感じています。チーム採用ですと、確かに作業の効率化は促進されますが、メリットはそれだけではありません。仕事に限らず、誰かと一緒に活動できるのは楽しいことです。仲間がいることで孤独ではなくなりますし、仕事面でも継続性につながりやすいと考えています」

 チームで働くのは「仕事の幸福につながる」という市原さん。今後は、チームをスカウトする機能やシェアリング機能も構想しているそうだ。

 社会や生活のあり方が大きく変わろうとしている今、一度立ち止まって、これからの働き方を考える時間は必要ではないだろうか。取材を通してそう感じた。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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