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電力のスマートメーターを合法的にハックしよう! Nature Remo E Liteレビュー

2020年12月31日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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家庭の電力量をリアルタイムにスマホでチェックできる電力モニタリングシステム「Nature Remo E Lite」。価格は1万4800円

 今回のレビューで取り上げる「Nature Remo E Lite」は、家庭の電力メーターの値を非接触、かつリモートで電子的に読み取り可能にするガジェットだ。と言うと、そんなことができるのかと驚く人もいるだろう。実は私も最近まで、それが可能だとは知らなかった。数年前から電力会社は、これまでのアナログ式の電力メーターから、いわゆるスマートメーターへの交換に取り組んでいる。いつの間にか自宅にスマートメーターが付いているという人は、誰でもこの機能が利用可能だ。同じ会社のスマートリモコン装置、Nature Remoも併せて試用できたので、そちらも含めて使い勝手などをレポートする。

ちょっと紛らわしい製品ラインナップを確認

 今回のメインの電力メーターの話はちょっと後回しにして、最初にNature Remoシリーズのラインナップを確認しておこう。名前もかなり似ているので、そのまま話を進めても、かなり紛らわしいからだ。

 まず、今回取り上げる製品を作っている会社の名前が「Nature」だ。洗練された製品のデザインやアプリの出来栄えを見ると、国外の会社なのかと思わせるものもあるが、れっきとした日本の会社。そしてその主力製品が、家電製品をスマホで操作できるようにするためのスマートリモコン装置、「Nature Remo」というわけ。「Remo」というのは、言うまでもなくリモコンの「リモ」からきたものだろう。

 そして、現在「Nature Remo」には世代やグレードによって3種類の製品がある。最新、かつフル装備の「Nature Remo 3」(9800円)と、その簡略版の「Nature Remo mini」(5980円)、そして1世代前の「Nature Remo 2」(8980円)だ。簡単に言えば、いずれもWi-Fiでスマホと通信し、赤外発光ダイオードと赤外線センサーで、家電製品や、そのリモコンとやりとりするところは共通している。

 主な違いは、Wi-Fiと赤外線以外に内蔵しているセンサーの種類だ。上位モデルの「Remo 3」と「Remo 2」が、温度、湿度、照度、人感の各センサーを内蔵しているのに対し、「Remo mini」が内蔵しているのは温度センサーだけ。これらのセンサーは、リモコン機能で家電製品を操作する際の「トリガー」として利用できる。「Remo 3」と「Remo 2」の違いは、「Remo 3」がBluetothに対応し、一部のBluetooth対応機器(mornin’ plus、Qrio Lock)もサポートしていることだ。

 トリガーとしては、時刻や、スマホのGPSによって検出する所有者の位置なども使える。製品が内蔵するセンサーは、あくまでの室内の環境を測定するためのものということになる。例えば、室温の変化に応じてエアコンを付けたり、消したりといった操作が可能となる。あるいは人感センサーによって、人が部屋に入ると自動的にテレビを付ける、といった操作も可能だ。

 最初に述べたように、今回のレビューのメインは、このスマートリモコンではなく、家庭の電力メーターの値を読み取る製品の方だ。実は、そちらにも現在2種類の製品がラインナップされている。「Nature Remo E」(3万2780円)と「Nature Remo E lite」(1万4800円)だ。前者は、単に電力メーターを読み取るだけでなく、太陽光発電システムや蓄電池システムなど、ECHONET Lite規格に準拠した家庭用電力システムに対応する本格的なもの。当然ながら、そうしたシステムを装備した家で使わないと意味がない。対して後者は、いわゆる「スマートメーター」と呼ばれる電力メーターの読み取り専用だ。特別な装備のない一般的な家庭であれば後者で十分。前者はまったくのオーバースペックとなる。

 今回のテストでは、電力メーター対応製品としては、「Nature Remo E lite」を、リモコン装置としては「Nature Remo 3」を試用した。両者は、それぞれ単独でも利用可能で、もちろんそれだけでも意味がある。しかし両者をスマホから扱えるようにするアプリは共通で、組み合わせて使うことも可能。それにより、電力使用量をトリガーにしてリモコンを動かすなど、より意義深い使い方ができるようになる。

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