サムスン電子やファーウェイのスマートフォンは、外部ディスプレーを接続すると「専用デスクトップ画面」「マルチウィンドウ」が使える機能を持っています。キーボードをつなげば簡易的なPCとして使うこともできるわけです。またこのモードに特化したデバイスとしてMiraxessの「Mirabook」が日本でも発売されています。13.3型ディスプレーにキーボードを搭載したMirabookはノートPCのような外観ですが、CPUやメモリーは搭載しておらず、ただのディスプレーとキーボードだけの製品。サムスンまたはファーウェイのスマートフォンなどを繋げば、DeXモード/デスクトップモードでノートPCのように使うことができるのです。
同じようなモードを持つスマートフォンは他にもいくつかあるようですが、中国Smartisanが10月に発表した「JianGuo(堅果)R2」は、そのドッキングステーションの形状に大きな特徴があります。「TNT go」という名称で、ディスプレーと脱着式のキーボードのデザインはまるでSurface。でもこれはノートPCではなく12型(2160x1440ドット)のディスプレーと、脱着できる薄型キーボードのセットなのです。
TNT goにJianGuo R2を接続すると、専用デスクトップモードとなり複数のアプリをウィンドウサイズを変えて利用できるなど、サムスンやファーウェイと同じことができます。TNT goは本体がグレイカラーの有線版と、グリーンカラーの無線版があります。有線版はUSB Type-CでJianGuo R2を接続する必要がありますが、無線版はワイヤレス。ポケットにJianGuo R2を入れたままTNT goと接続して使えば、Surfaceを使っているように見えるでしょう。
TNT goの価格は有線版が1999元(約3万2000円)、無線版が2999元(約4万7000円)です。なかなか魅力的な周辺機器ですが、JianGuo R2だけのためにこれを買う人ってどれくらいいるのでしょうね。
実はこのTNT go、ディスプレーはType-C入力によるディスプレー。そのためSmartisan以外のスマートフォンもつながるようです。実際に中国のネットを見ると、ファーウェイのHUAWEI P30などをTNT goに繋いで動作させている動画などが見つかります。ファーウェイがいけるということは、サムスンも恐らく使えるのでしょう。
ただしSmartisan側は他機種での動作は保証していません。またファーウェイなどで使う場合は条件があります。まずTNT goの無線版はただの外付けディスプレーとしてしか使えず、デスクトップモードは利用できません。つまり接続しても、スマートフォンの画面がそのままTNT goの画面中央にそのまま表示されるだけです。
デスクトップモードを使うには無線版を買う必要があります。しかし無線版TNT goとサムスン/ファーウェイ端末の接続は無線はNG。Type-Cケーブルによる有線接続となります。つまり約4万7000円の高いモデルを購入して、有線接続することで使えるとのこと。
値段が若干高いものの、Surfaceスタイルで使える姿はなかなかカッコいいのではないでしょうか。ディスプレーだけにつないでタッチパネルとスタイラスペンで操作することもできます(有線版にはスタイラスペンが無料で添付)。
Smartisanのスマートフォンは中国国内だけの販売。このTNT goも海外では販売されていません。しかし他のスマートフォンで使えるというのなら、TNT goだけでもグローバル展開してほしいところです。
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