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漢方で防ぐ「体内の乾燥」、多くの人が気づきにくい不調のサインとは

2020年12月18日 06時00分更新

文● 大塚まひさ(ダイヤモンド・オンライン

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気めぐりが悪いときは、風がカラダの中に入ってくることを避けると不調の予防になる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

これから乾燥が深刻になる季節。特に、多くの人が気づきにくい「体内の乾燥」は、健康面の悪影響だけでなく、シワやたるみといった老け顔の原因にもなります。そんな体内の乾燥を防ぎ、うるおいを作り出してくれるのが漢方です。漢方というと、「苦い」「即効性がない」など漢方薬のイメージが強いかもしれませんが、実は日本の伝統医学。中国から伝わってきた後、日本人の気質、体質、風土の影響を受けながら独自に発展してきたため、日本人の体調・体質を調えるのに適している健康美容法と言えるのです。コロナ対策としても、押さえておいて損はありません。そこで今回は、薬剤師でうるおいコンシェルジュである大塚まひささんの著書『うるおい漢方』(青春出版社)から、体内のうるおい成分が不足したときのサインと原因について、漢方の考え方からひも解いていきます。

体に必要なうるおい成分「気・血・水」とは

 漢方の考えでは、人間のカラダには「五臓六腑」という生理機能があり、「気 ・血・水」(以下、「気血水」)という3つの要素で人はできています。気血水はいわば「うるおい成分」であり、これらがカラダの中にたっぷりとあって、しかも“めぐっている”ことが、健康で美しくいられる条件です。

 それぞれを簡単に紹介すると、まず「気」とは生命エネルギーです。エネルギーに満ちた暖かい空気のようなもので、全身にエネルギー、熱を届け、バリアのようにカラダを守っています。「血」とは、体内にある栄養のある水分のことです。全身に栄養を与え、全身にうるおいを与えるもので、思考の源でもあります。「水」とは、血以外の水分のことです。全身をうるおしています。陰陽、気血水、五臓六腑のいずれかでもバランスが乱れると病気になります。

 気血水の乱れは、主に外見の悩みとして出てきますが、気血水を調える習慣を身につけておけば、病気の予防にもつながります。

 気血水のどれかが不足していたり、めぐりが滞っていたりすると、カラダは様々なサインを出して教えてくれます。つまり、サインを読みとり、カラダの内側を調える方法がわかれば、美しく健康であり続けられるのです。不足や滞りのサインは一度に出るわけではなく、また、人によって違うサインが出てきます。

 現れるサインについては、基本をおさえれば連想できるので、すべてを覚えなくても大丈夫です。まずは、気血水の正体を知り、自身の乱れのサインを読み取れるようになりましょう。

「気」のめぐりが悪いサインは上半身に出やすい

 気はストレスやプレッシャー、緊張によって、めぐりが悪くなります。気のめぐりが悪くなると、カラダの部分によって気があったり、なかったりするという偏った状態になります。そのように気めぐりが悪い状態を「気滞」といいます。

 気のめぐりが悪くなると、頭や顔に溜まりやすくなります。そうなると、頭や顔はほてるのに、足は冷えるということになるのです。これもカラダの中の気めぐりが悪くなっているサインです。連想してほしいのですが、頭に熱がのぼった状態のときの感情というと、冷静沈着ということはなく、頭がカッカしてイライラしたり、怒りっぽいイメージではないでしょうか? 気めぐりが悪いサインの一つに、「イライラして怒りっぽい」というものがあります。

 気めぐりが悪いと、私たちは自然と詰まった気を外に出そうとします。なので、ため息が多いとか、げっぷをしたりおならをすると楽になるとか、歌ったりおしゃべりをしたりして気が楽になるというのも、気めぐりが悪いサインです。無意識に気めぐりをよくしようとしているのです。

 そのほか、疲れたときにじんましんができるというのも気の仕業です。気は目に見えないもので、実態がつかめないもの。じんましんも似たような性質で、どこからともなく現れ、肌にできて、掻(か)いたりしなければ跡形もなく、いつの間にか消えていきますよね。そんな風に根っこがないような、さっと現れてさっと消えていくものは気の仕業と考えられます。

 さらに、暖房や冷房の風が直接自分に当たるのが嫌で、当たると体調が悪くなったり、外出先で自然とエアコンの風の向きを気にしたりするのも、気めぐりが悪い人の特徴の一つです。気めぐりが悪くなって体内に余分な気が溜まっていると、外から風のような空気を招き入れやすくなり、より気めぐりが悪くなって体調が悪くなってしまうのです(代表的なものとしては、頭痛、めまい、じんましんなどがあります)。

 気めぐりが悪いときは、エアコンの風に直接当たらない方がいいですし、風が強い日も体調を崩しやすいので、長袖を着たり、首にストールなどを巻いたり、首が隠れるような洋服を着たりして、風がカラダの中に入ってくることを避けると不調の予防になります。

「血」のめぐりが悪いサインは「黒い」「痛い」

 血はどこをうるおしているかというと、具体的には肌、髪、目、爪、唇などです。また漢方では、脳や筋肉の栄養は血であると考えています。

 血が不足した状態を「血虚」といいますが、そのサインとしてはまず、血がうるおしている部分が乾燥することで教えてくれます。肌が乾燥したり、シワができたり、ニキビができるようになるのです(大人ニキビの原因のほとんどは、体内の乾燥です)。

 他にも、髪がパサパサ乾燥したり、白髪になったり、目がドライアイ、かゆい、視力が落ちる、かすみ目になるのも血不足のサインです。さらに、血が不足すると、外見が乾燥するだけでなく、記憶力や集中力が低下して思考も干からびてしまいます。

 つまり、血はカラダの中にたっぷりあって、頭から足の先までしっかりとめぐっていて初めて、うるおいの力を発揮するのです。

 では、血のめぐりが悪くなると、カラダは外見にどんなサインを出すのでしょうか?大きく2つに分けて「黒っぽくなる」「痛くなる」というサインが現れます。

「黒っぽくなる」というのは、目の下のクマ、そばかす、ほくろ、くすみ、ニキビ痕、赤紫色のニキビ、傷跡(が残る)、いつの間にかあざができている、唇や爪の色が紫色、しもやけになる(なったことがある)などです。

 シミは、カラダの中の血めぐりが悪いサインなのです。シミを減らすために、すでにできてしまったシミを消したいのであれば、外からのケアが早いでしょう。しかし、外からのケアだけではなく、未来を考えて「カラダの中からの美白=血めぐりを調えておくこと」も必要なのです。

 次に「痛くなる」についてです。この痛みには“コリ”も含みます。肩こり、腰痛、生理痛など、凝っている場所や痛みのある場所がわかるコリや痛みは、血めぐりが悪いサインです。ほかにも、疲れて目の奥が痛いというのもそうです。頭痛の場合は、湯船につかったりしてカラダが温まるとよくなるものは、血めぐりの仕業です。

 このようなサインが出てきたら、「血めぐりが悪いってカラダが教えてくれている!」と気づき、血めぐりを調える食事やライフスタイルに変えることで、自分でよくすることができます。

「水」のめぐりが悪いサインは「むくみ」

 普段うるおっている場所が乾燥することで水が不足していることがわかります。たとえば、肌・髪・目・爪・唇の乾燥、特に肌にはちりめんジワ(細かい小ジワ)ができやすくなるのです。

 水分を摂ればよいのですが、私が今までカウンセリングしてきた経験から言うと、このタイプは「水を飲むのが苦手」という人が多い印象があります。だから余計に水不足になってしまうのです。

「水めぐりが悪い」というのは、水が全身をめぐらずにどこかに溜まっている状態のことです。これを「水滞」、「水毒」といいます。その主な原因は、冷えやパワー不足。水滞、水毒の例で一番わかりやすいのは、「むくみ」というサインです。水は重たいので下に溜まりやすく、足のむくみがサインとして最も多いのですが、手や顔がむくむ人もいますし、他のケースもあります。

 たとえば、雨の日にだるいとか頭痛になるなど、雨の日の不調は水めぐりが悪い人の特徴です。カラダの中に水を溜め込んでいる人は、外気の水分(湿気)をよりカラダに呼び込みやすいのです。普段むくみ気味の人は、雨の日や湿度が高い日はよりむくみやすくなります。

 肌に出てくるサインもあります。白ニキビやジュクジュクした湿疹は水めぐりが悪いサインです。カラダの中に水があふれているから外に出たいと主張しているのです。

 このように、水を連想すると出てくるサインもイメージしやすく、一つひとつ覚えなくても見当がつくと思います。水めぐりが悪いサインが出てきたら、めぐりを良くしてあげましょう。

 体調管理に気をつけたいこれからの季節こそ、体が発している不調のサインを正しく読み取り、予防・対処していくことを意識してみてください。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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