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国内でも広がり始めた「Visaのタッチ決済」 世界のどこでも1枚のカードで決済を目指す

2020年12月17日 18時30分更新

文● オカモト/ASCII

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 ビザ・ワールドワイド・ジャパンは「Visaのタッチ決済普及の最新状況に関する説明会」を開催。「Visaのタッチ決済」の現状についての説明や公共交通機関での事例などをメディアに紹介した。

Visaのクレジットカードをかざすだけで決済できる「Visaのタッチ決済」。スマホやウェアラブル端末でも利用できる

Visaのカードを用いた対面決済のうち
タッチ決済が90%を超える国も

 FeliCaベースのキャッシュレス決済が以前から広く使われ、最近もコード決済の登場が大きな話題になった日本では、「Visaのタッチ決済」を含む、NFCを用いたクレジットカードブランドによるタッチ決済(総称として「NFC Pay」とも呼ばれる)は、まだ認知度が高いとは言いがたいが、世界的に見れば普及が進んでいるほか、国内でもその基盤は着実に広がりつつある。

 具体的には、ロシア・ポーランド・ハンガリーといった東欧圏やスペイン、シンガポール、オーストラリアなどの国では、Visaブランドの対面決済における90%がタッチ決済を利用。イギリスやカナダでも60%を超えているという。

東欧圏など、店頭でのクレカの利用はほぼタッチ決済に移行している国も出てきている

 NFC Payに対応したクレジットカードは、カード券面に右方向に広がる波形のマークが描かれているが、Visaだけで国内で3000万枚以上のカードを発行済み。取引数も前年同期比で約15倍以上になるなど、伸びを見せている。

Visaブランドのクレカでは更新時に自動的に機能が搭載されるケースも多く、枚数的には3000万枚を突破している

 ユーザーにとってのタッチ決済のメリットとしては、やはり支払いの素早さなどの利便性が一番で、安全性という面でも店員にカードを渡す必要がない、コロナ禍において現金のやり取りがなく、清潔だという意見も多くなっているとのことだ。

利便性のみならず、現金を店員とやりとりしたくないという意見も見られる

「支払いはVisaで」と伝えるだけで
IC/磁気/タッチのいずれでも決済可能になる端末を導入

 「Visaのタッチ決済」の普及には加盟店側の対応も当然必要。対応端末数については、前年同期比で約3.2倍に。普及のカギとなるコンビニについても、全体の70%で利用可能になった。これは今年6月に対応したセブン―イレブンの存在が大きいと考えられる。このほか、イオングループの各店やイトーヨーカドーといった全国規模のGMSに加え、地域スーパー、日本郵便なども対応している。

店頭での対応端末も拡大中。コンビニではローソンやセブン―イレブンで利用できる

 加盟店の端末については、「2面待ち」対応から「3面待ち」対応への更新を進めている。初期の「2面待ち」タイプでは、クレジットによる決済(ICチップまたは磁気)とNFC Payが別扱いになっており、買い物をする側が「クレカのタッチでお願いします」「NFC Payで」などと「タッチ決済」をすることを伝えて、店員側もその意味を理解して、NFC Payのボタンを選択する必要があった。

 それに対して、今の「3面待ち」対応では、「カードで」「Visaで」と伝えて、店員もクレジットカード払いのボタンを押すと、端末がIC/磁気/NFCいずれでも可能な状態で待受することで、スムーズな決済が可能になる。Visa側としては、「Visaのタッチ決済」の認知度を上げていくことは当然の課題だが、こうしたインフラ側の手当も重要だと考えていると説明した。

コンビニで使われている端末もそうだが「クレジットで」と伝えると、カードでもタッチでもどちらでも決済できるケースが増えている

世界中で発行されているカードでそのまま電車に乗れる
これからの国際観光都市にとって必要な対応?

 最後に紹介されたのが、公共交通機関での事例。対面での決済と比べて、公共交通機関での利用にはより高速な処理が必要で、これが国内におけるFeliCaベースのシステムの強味となっていた。

国内の交通機関でも採用例が増えつつある

 一方、クレジットカードをベースにした「Visaのタッチ決済」では、「オーソリ」と呼ばれるカード発行会社や金融機関にネットワーク経由で決済が可能か確認する作業が必要で、ここに数秒程度の時間を要してしまう。この問題を解決すべく、すでに導入例が見られる海外の公共交通機関では特別なルールやシステムを導入している。

 その仕組みとしては、乗車時にはタッチされたカードがネガのリストに入っていないかをまずチェックして、0.5秒以内で処理が完了。乗客が乗車している間にカードの有効性をチェック、降車後に実際に課金するという流れになっている。また、国内の鉄道事業者で初めて導入された京都丹後鉄道の例では、間にバックエンドシステムを挟んで、やはり後からオーソリを取得している。

ネットワーク経由でのオーソリ取得にどうしても数秒の時間がかかってしまう

海外の公共交通機関での例。時間が必要な処理は乗車中に行なう

 また、公共交通機関に「Visaのタッチ決済」を導入するメリットとしては、世界中で発行されているVisaのクレジットカード・デビットカードをそのまま利用可能で、国際的な観光都市においては特に利便性が高くなる点、後からの精算なので割引や1日券などフレキシブルな料金体系が提供可能である点、鉄道事業者が提携クレジットカードを発行することで、駅周辺の商業施設への送客や囲い込みが可能である点などを紹介した。

世界中どこでも1枚のカードで支払いが済む状況というのがVisaの目指すところ。海外からの観光客が再び増える時代には必要とされる決済手段となりそうだ

 

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