■「オンライン特化」が新たな競争軸に
これまで携帯キャリアのメインブランドとサブブランドは、5G対応やデータ容量、海外利用やポイント還元などで差別化されてきました。これに対してアハモは、実店舗でのフルサービスか、それともオンライン特化か、という新たな競争軸を打ち出しています。
オンライン特化といっても、全部が全部「スマホを契約するのにスマホが必要」となってしまうと最初の1台を買うときに困ります。この点でアハモは、スマホを持っていない人でもウェブサイトから契約できるとしています。また、海外キャリアの事例としてはショップ内に設置した端末でSIMを契約できるところもあります。
こうした競争に他社のサブブランドが巻き込まれることは必至です。アハモは実店舗で対応するコストをカットすることで「20GB2980円」を実現しましたが、すでに全国に店舗網を持つワイモバイルやUQモバイルは、単純に同じ料金に引き下げるとコスト負けすると考えられます。
KDDIはシンガポールの会社と組み、オンラインに特化した新しいMVNOを立ち上げる構想(KDDI Digital Life)をドコモより先に発表していました。話題性としてはアハモに先行を許す形になりましたが、コロナ禍の中で実店舗に行きづらくなっていることもあり、オンライン特化の競争は加速しそうです。
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