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山谷剛史の「アジアIT小話」 第172回

日本で「中国現地そのまんま」の飲食店やECサイト向けITサービスを利用した

2020年11月19日 12時00分更新

文● 山谷剛史 編集● ASCII

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中国にいるように各種食材が注文できるECサイト
注文直後にメッセージが来る即時性も中国風

 最後に紹介するのが、名古屋のホテル兼中国商店の「長江」。名古屋駅から西に歩いて行くと看板が見える。この看板にはQRコードがあり、WeChatでスキャンすると、本国さながらのオンラインショップ「長江物産微信商城」が起動する。PC用サイト(http://www.ses-changjiang.com/)も用意されていて、これもまた中国のウェブ文化に則ったものとなっている。

名古屋駅の近くで見かけるQRコード付きの案内

長江物産のサイト、上のQRコードから微信商城をタップして店に入る

 長江物産では、中国人にはまるで本国にいるように、水餃子や麺、調味料、香辛料、お菓子にジュースにお酒が買えるほか、ベトナムやタイの食材まである。購入は銀行振込や代引もできるが、本国さながらに微信支付(WeChat Pay)のほか、PayPayまで利用できる。オンラインでPayPayをどうやって利用しているかというと、購入商品をカートに入れてPayPay払いを選ぶと、店側からWeChatで「すぐにいくら入金してください」というメッセージとともにQRコードが送られてくる。このスピード感も中国のサービスそのものだ。

 なお長江物産の配送はヤマト運輸を用いており、モノによっては冷凍で届けてくれるので、日本全国でオーダー可能だ。

 日本で体験できる中国的サービスを紹介したが、カンボジアやフィリピンといった、中国人が多い他の国においても各地の中国人向けのサービスが提供されている。その背景には開発のしやすさが挙げられる。中国のECサイトでは、アリババクラウドを用いるショップやレストランなどのミニプログラム開発サービスが多く用意されていて、基本料金は1万円以下で設定されている。日本でいうところの“ホームページ作成代行”みたいな感覚で、中国ではよく見かける似たデザインのウェブサービスが作られるわけだ。こうして中国人のいるところに、決まって本国同様のサービスが立ち上がるのである。

アリババクラウド向けショップ作成サービス

 

山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で、一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」(星海社新書)、「新しい中国人〜ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国」(さくら舎)などを執筆。最新著作は「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか? 中国式災害対策技術読本」(星海社新書、Amazon.co.jpへのリンク

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