付属の硬質プラスチック棒でベゼルやバンドを取り外す
PWBデザインに興味の大半を奪われてしまって忘れていたが、G-SHOCK PWBは最近のカシオG-SHOCKの流行である"カーボンコアガード"機能を搭載した腕時計だ。カーボンコアガードは、以前取り上げたコラム(GA-2000E-4JR)の中でもご紹介したが、腕時計のコアのモジュール部分をカーボン繊維入りファインレジンの強化樹脂を採用したケースを使用し、外部の衝撃から腕時計の一番大事な部分を守る強力な耐衝撃構造を採用したモノだ。
しかし今回のG-SHOCK PWBの背面裏ブタを見ていると、素人目には、CARBON COREGUARDと彫られた安っぽい金属パネルをネジ4個で固定しただけの雰囲気は、今も人気のチプカシを彷彿とさせ、どうもスッキリしない不安な気分になってしまう。同じカーボンコアガードでも、だれが見てもより安価なGA-2000E-4JRの背面処理の方がG-SHOCKらしくてワクワクするデザインなのだ。
気を取り直して楽しいオプションベルトを眺めて見れば、交換ベルトが2セットも付いている。そして伝統的な"バネ棒はずし"不要の交換容易な"アビエベルト"という手法が採用されている。一般的にはワンタッチバネ棒とか言われることもあるが、カシオ社が採用しているスライド式レバーのことを何と呼んでいるのか取説に解説がなかったので分からなかった。
付属のマイナスドライバーのような硬質プラスチック棒でスライド式の小さなノブを横に押してずらすことで、バネ棒の出っ張りが引っ込み、容易にベルトを本体から取り外すことができる。同じ道具を使ってベゼルも簡単にめくるような感覚で取り外すことができた。
使い良い道具のお陰で、2つのベゼルと2本のベルトを気の向いた時に自由に交換して全部で6種類のバリエーションを楽しむことが可能だ。
筆者も暇にあかせていろいろやってみた結果、出荷時の全体がPWB状態からベゼルだけをブラックのシンプルなモノに交換した場合は、静かな感じだが逆に文字盤のPWBが際立って見える。そして加えてベルトもブラックに変更することで、オールブラックの硬派なG-SHOCKに様変わりする。イメージ的にはオリジナルのG-SHOCK DW-5000の再来のイメージが強調され、最もG-SHOCKらしいG-SHOCKとなる。
筆者個人的にあまりピンとこなかったのは、カモフラージュグレーのベルトだった。PCWベゼルでもブラックベゼルでも、どことなく中途半端感が残った。できることならオプションベゼルもベルトと同様2個にして、ブラックに加えてカモフラージュグレーの階調のある迷彩デザイン版も欲しかった。
G-SHOCK PWBを手に入れてから約2週間、何度かベゼルとベルトを交換していろいろ楽しんでみたが、けっきょく最後の最後に落ち着いたのは、開発者のもっとも力の入ったすべてがPWBイメージのモデルだった。こんどこそ最後のG-SHOCKにしようと過去何度か思ったが、その決心を毎回裏切らされてしまう。しかしG-SHOCK PWBは後悔のないG-SHOCKだ。
今回の衝動買い
アイテム:カシオ計算機 ジーショック カーボンコアガード構造「DWE-5600CC-3JR」
・購入:Amazon.co.jp
・価格:2万7720円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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