かれこれ組み立てIBM/PC互換機の世界から遠ざかって、もう15年以上が経過してしまった。一時期は組立互換機よりも、メーカーが販売する完成品のほうが安い時代があったような気がするが、昨今はどうなのだろう(編注:今もそうです)。
生まれて初めて、某社の8bit CPUを搭載したコンピューターの内部や、会社にあったメインフレーム端末の印刷機構の内部を見た時に、ヤケにユニークな帯のように幅広く短いケーブルを発見して、しげしげと眺めた記憶があった。だが昨今のパソコン内部を見てみても、技術革新でケーブル類はほとんど見当たらない。これは超高速を目指した超大型コンピューターが、ケーブルレスな基本構造を見いだしたのと同様の進化だろう。
今回の衝動買いは、そんな古き良き時代を思う“ノスタルジックなマインド”を、腕時計というパーソナルプロダクトに投影した、パソコン自作のシニアユーザーなら間違いなく「ピクッ」とくるClick Watch社の腕時計「Switch」だ。
懐かしいフラットケーブル風のバンド
パソコンを代表とするIT系機器内部の回路基板同士や、HDDや光学ドライブとの連結に使われる平たいケーブルを、一般的に「フラットケーブル」と呼ぶ。パソコン自作ユーザーにとって、フラットケーブルには「これぞフラットケーブル」という、決定的な外観上の特徴があるものだ。
まず外観はその名のとおり、着物の帯のようにフラット(平ら)で幅広である。そして何より大事なことは、そのカラーリングだ。昨今では多くのカラフルなケーブルが販売されているが、“これぞフラットケーブル”というものに妥協は許されない。基本のカラーは「グレー」を選んで、アクセントとして「グリーン」。意外性とダイナミック感を醸し出すために「レッド」のアクセントが、ケーブルの左右どちらかの端に入る。これだけのことを確実に守れば「これぞフラットケーブル」というものが完成する。
Switchはこの原則をかたくなに守り通した、ケーブルのようなストラップを採用したデジタル腕時計だ。腕の太さに合わせて、ケーブルを折り返し調整して使用する。ベルトをロックするバックル機構も、ケーブルのコネクターのようなイメージだ。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
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