松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第120回
迷いすぎたら「iPhone 12 Pro」を選ぶのもあり:
アップル「iPhone 12 mini」未来を感じる超コンパクト
2020年11月10日 16時00分更新
●超コンパクトという現代スマホに欠けていた価値
iPhone 12 miniは5.4インチ有機EL「Super Retina XDR」ディスプレイを備える5G対応スマートフォンです。133gしかないiPhone 12 miniより軽いiPhoneを近年で探すと、2014年のiPhone 6の129gや、2016年のiPhone SE(第1世代)の113gしかありません。いかにiPhoneが、大きく重たくなり続けてきたかが分かります。
4.7インチ液晶を搭載するiPhone 6よりも、サイズはコンパクトですが、ディスプレーサイズは5.4インチと、Plusサイズの手前まで拡大されており、縦長のディスプレーはキーボードを標示させながらメッセージを打つとき、メッセージリストを表示するとき、ウェブサイトや電子書籍を読むときにも、便利に利用できます。
なにより、Super Retina XDRディスプレーは、液晶だったiPhone SEまでの4.7インチモデルに比べて、キリリと高精細さが光ります。HDRビデオを再生するときにはProモデルと同じ最大輝度1200ニトまで明るくなる仕組み。ビデオを撮影していても視聴していても、その明るさは迫力に包まれます。
そのサイズの小ささと端末の軽さから、画面そのものを手で直接持っているような感覚にとらわれ、他のサイズのiPhone 12を持ったとき以上に未来を感じます。高性能なものが、手の平に収まる小さなサイズで実現されていること自体が、魅力なのです。
昨今まれに見るコンパクト返りを果たしながら、5Gや明るくなったf1.6の広角カメラ、A14 Bionicの高性能・省電力性と、妥協がないモデルであり、iPhone 12世代の体験をすべてかなえる存在でした。にもかかわらず、パンツのポケットに入り、とにかく筆者は手が小さいので、片手で使える久々のスマートフォンとしても、貴重な存在です。
この性能を、このコンパクトさに収めたことは、現在のアップルの技術力の高さそのものであり、大きく迫力のある5Gハイエンドスマホ以上に、光るものを感じました。
この連載の記事
-
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 -
第148回
iPhone
アップルiPhoneラインナップから浮かび上がる2つのこと -
第147回
iPhone
アップル製品ラッシュふたたび? -
第146回
iPhone
アップルはiOS 15で「時間の支配権」をユーザーの手に取り戻させようとしている -
第145回
Apple
アップル新型「iMac」驚きの電源 - この連載の一覧へ