平井大臣は、「デジタル庁は、とてつもない権限を持つことになる」と語る。
「縦割り行政を変えるということは、民間に例えれば、別々の会社が別々のサービスを提供していた状況を、国民目線でひとつのサービス形態で提供するということである。これは、いままでの内閣官房の総合調整のやり方では無理である。予算に対する権限や、システムを設計し、それを作っていくという権限を、スタートアップとして立ち上がるデジタル庁が、ほかの省庁からもらわなくてはならない。これは、大変なことである」とし、「システムのアーキテクチャーを根本的に変えなくてはならない。また、バラバラだったデータガバナンスのオーソリティ機能もデジタル庁に持たせようと考えている。いままでは怖じ気づいてできなかったことに、デジタル庁は挑戦をしたい」とする。
そして、「デジタル化を進めるプロセスを透明化し、なぜやらなくてはならないかということを示すことが大切である。どこかの誰かが、どこかでコソコソと進めるということは、デジタル庁はしない。みなさんとともに作り上げていくのが、時代のシンボルであるデジタル庁である。デジタル庁創設に向けてのプロセスをオープンにする。私のYouTubeページでは、会議の内容までをオープンにし、一般の方々との対話集会もフルオープンでやっていく。そして、デジタル庁は、ミッションを設定した上で、仕事のやり方や、最終的なアウトカムもいままでとは違うものにしていかなくてはならないと考えている」とする。
一方でこうも語る。
「デジタル庁には、絶対に変えてはならない基本原則がいくつかある。国民の方を向いたシステムを作ること、個人情報保護とセキュリティを守り、そこにデータ利活用のバランスを取ることといったことである。こうしたデジタル庁の目指す世界観として譲れないところはあるが、それ以外のことに関して言えば、常に変更は自由にしようと思っている。決めすぎて、自分で自分の足を縛ると、デジタル庁は立ち行かなくなる。アジャイル・ガバナンスの考え方を用いて、根本原則以外は変えないが、常に様々な方々の意見を聞きながら、足元を確認しながら、方針変更することに関しては躊躇しないというスタイルで行こうと考えている」
まずは、年内を締め切りとする基本方針の決定が、デジタル庁創設に向けた大きな一歩となる。
「デジタル庁は、これから話を詰めて行かなくてはならないことが多く、しかも、正解が最初からわかっているわけではない。だが、デジタル庁は時代の要請だと思っている。これから、国民のみなさんと一緒になって正しい方向をみつけ、それを実行に移していくことになる」
これは、まさに政府が取り組むDXである。デジタル敗戦した日本が、スピード感を維持しながら、変革を進めることで、勝ち組の道筋に方向転換できるかどうかの戦いでもある。
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