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「オンラインお見合い」を一度やると、男女共にハマる実利的な理由

2020年10月25日 06時00分更新

文● 中村未来(ダイヤモンド・オンライン

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写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍によって、飲食業や観光業など各業界が大きな経済的損失にあえいでいる。婚活業界もその中の一つだ。特に緊急事態宣言中は、対面でのお見合いやデートが困難となり、婚活中の人々にとっては受難の日々だった。しかし、そんな中盛り上がっていたのが、オンラインお見合い。リアルで会わずとも婚活を続けた人たちがいたのだ。お見合い塾の代表であり、カリスマ仲人の山田由美子氏に、コロナ禍での婚活事情について聞いた。(清談社 中村未来)

婚活業界の追い風となった
オンラインお見合い

「自粛中の婚活には、2つのタイプがありました。1つは、仕事がこの先どうなるか分からないし、給料も下がるかもしれないからお見合い塾は退会するという人。もう1つは、自粛で何もすることがないからこのタイミングで婚活を頑張りたいという人です。後者のタイプは、通常よりも気合を入れて婚活することになったので、成果につながる人も多かったです」

 自粛中の婚活について、お見合い塾の山田氏はこう話す。追い風となったのが、「オンラインお見合い」だ。自粛が始まってすぐに婚活業界が取った対策で、マッチングした2人がオンライン対話ツールの「Zoom」を使ってお見合いをするというもの。最初のうちは、山田氏が提案しても嫌がる人がほとんどだったが、いざやってみると思わぬ反響があったという。

「一度オンラインお見合いをすると、ほとんどの人が『次もオンラインがいいです』と言います。やってみると分かるんですが、男性も女性もオンラインお見合いのほうがメリットが多いんですよ」

男女ともにリアルよりも
メリットが多いオンライン

 まずメリットとして挙げられるのが、男性側の経済的負担の軽減。最近のお見合いはマッチングした2人がカフェやホテルラウンジでお茶をするというのが一般的だが、そこにかかる費用は男性が負担する。これがオンラインなら、お茶代や食事代もかからないので男性にとってはありがたい。

「お茶代をケチるのはどうなのと言う方もいるかもしれませんが、男性だって婚活が長く続けば、その分会費もかかってくるので、できるだけ負担を軽くしたいと思うのが本音です」

 では、女性側のメリットは何か。

「女性は女性で、オンラインならライティングを自分で調整できるので、かわいく自分を演出できるというメリットがあります。上半身だけ気合を入れればいいので、『すごく楽だった』と皆さんおっしゃいますね」

 そして、Zoomはあえて無料プランを利用している。無料プランだと3人以上が連続して通話できるのは最大40分までだが、この絶妙な時間がお見合いに適しているのだ。

「最初はあいさつがてら、仲人も入ります。そのあと一度退出して、お二人で会話してもらって、最後の5分くらいでまた仲人が入って締めのあいさつをして終了という流れです。なので、実質、2人が会話できるのは30分くらい。ちょうど会話が盛り上がってきたくらいで中断となるので、『またお話したい』となるわけです」

 実際に、オンラインお見合いから交際に至るカップルは多かった。Zoomでの会話に慣れたカップルは、交際後もLINEのビデオ通話を活用するケースが多く、コミュニケーションの幅が広がったという声もあったという。

コロナ禍で増えた
入会者の謎

 近年、飽和状態となった婚活業界は、会員の取り合いも激しくなっている。山田氏が運営するお見合い塾も、10年前は月200人の入会者がいたというが、現在は月平均5~10人程度に減った。今回のコロナ禍でさらに入会者が減ったかと思いきや、なんとこの期間は毎月約15~20人の入会申し込みがあったという。

「驚いたのは20代の若い世代が増えたこと。『コロナで不安になったので来ました』という人が多かったですね。同時に、40代以上の入会者も増えました。こちらも不安だという声と、『婚活したいけれど、どうすればいいか分からないから仲人に背中を押してほしい』という声が多かったです」

 昨今はオンラインお見合いのほかにも、AI(人工知能)によるマッチングサービスが登場するなど、婚活業界のIT化が進んでいる。しかし、コロナによって浮き彫りになった「不安だから何とかしてほしい」「背中を押してほしい」というニーズを知ったことで、山田氏はあらためて「婚活にはやはり、人の手が不可欠」だと実感したという。

「AIを使って手軽に婚活できるのもいいですが、『この人、いいと思うよ!』と言ってあげる、昔ながらの仲人おばちゃんの存在もまだまだ必要とされているんだなと思いました」

 山田氏は今、そんな元気のいい“仲人おばちゃん”を集めたNKD58(なこうど・ふぃふてぃーえいと)という団体を立ち上げた。個人で仲人業を営む女性が総勢25人。58という数字は、メンバーの平均年齢から取っている。なお、メンバーは現在も絶賛募集中だ。

“仲人おばちゃん”のNKD58

「昨年11月に結成しましたが、コロナの影響で活動ができずにいました。なので、これから徐々に動き出そうと考えているところです。NKD58が主催するイベントを通じて、仲人の活動をもっと知ってもらいたいです。そして、皆さんに『婚活は、仲人をもっと活用していいんだ』と思ってもらえたら嬉しいです」

 アフターコロナ時代においては、オンラインお見合いを引き続きやりつつ、さらに仲人の力も存分に発揮していきたいと山田氏。コロナ禍で見出した新しい活路は、婚活業界の未来を変えるのかもしれない。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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