内部データパスはTuringの2倍
GeForce RTX 30-Series Tech SessionsでわかったAmpereが超進化した理由
2020年09月05日 06時00分更新
モーションブラー処理もレイトレーシングで高速化
AmpereではRTコアが第2世代に進化し、レイトレーシング性能を大幅に向上しているが、具体的には何が変化したのだろうか?
Turingの時に解説済みだが、RTコアの役割はレイトレーシングの処理において最も計算負荷の高い「光線(レイ)がどのポリゴンに衝突するかの計算」を高速で処理することにある。もう少し細かく言えば、BVH(Bounding Volume Hierarchy)という階層構造を使ってレイが衝突しそうなポリゴンを効率良く絞り込む「バウンディング・ボックス・インターセクション」と、ポリゴンにどう衝突するかを計算する「トライアングル・インターセクション」の2つの処理(これをまとめてBVHトラバーサルと呼ぶ)がRTコアの役目だ。
Ampereの第2世代RTコアでは、トライアングル・インターセクションに手を加えることで、モーションブラーの計算を高速化することが可能になった。動いているポリゴンに対してレイトレーシングのモーションブラーを処理する場合、そのポリゴンが次の瞬間、次の次の瞬間……でレイとどう衝突するか追跡した上で結果を出す必要がある。第2世代RTコアでは、トライアングル・インターセクションの前段でこの処理をハードウェア的に実行できるようになった、というものだ。
ただし、モーションブラーはレイトレーシング処理の有無に関係なく負荷が高いため、ゲームではオフにしてしまうことが多い効果のひとつだ。そのため、レイトレーシングでこれを実装されてもゲーマーにはあまりメリットがなさそうではあるが、CGレンダリング目的なら非常に頼もしい進化点ではある。