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魅惑の軽スポーツ「ホンダ・S660」で遊ぼう 第13回

ホンダ・S660を含む300万円の国産オープンカーは幸せのパスポート

2020年08月01日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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居住性は3車似たようなもの?

 続いて居住性。コクピットは3車種とも普通車と比べて「タイト」だ。そのタイトさもまた「スポーツカーらしさ」ともいえる。その中で横方向と上下方向にタイトなのがS660 Modulo X、前後方向にタイトなのがコペンGRスポーツ。よって身長180センチを超える人が軽スポーツカーを検討されるなら、フルバケットシートへの交換を視野に入れた方が望ましいだろう。ロードスターは誰が乗っても大きな問題はなく、快適なドライブが愉しめる。なお、3車種ともシートの高さ調整はない。

ロードスターの車内。落ち着いたオトナの雰囲気だ

コペンGRスポーツの室内。MOMOステアリング、レカロシートなどクルマ好きにはたまらないアクセサリーに溢れる

S660 Modulo Xの室内。赤い専用パーツが気分を盛り上げる

ロードスターのラゲッジスペース。幌を収容に関係なくスーツケース1つはラクに入る容積がある

コペンGRスポーツのラゲッジスペース。オープン時はトートバッグ1つが入る程度の容積だが、ルーフを取り付ければロードスターを超える収納スペースが現れる

 収納に関しては、クルマの大きさに比例することもあり、ロードスターが使い勝手で大きく上回る。とはいえ、普通車に比べれば積載量は多くない。一方、軽スポーツは人が乗れば荷物は乗らない、荷物を載せれば人は乗らないと考えた方が無難。ただ、コペンGRスポーツのルーフを閉じた状態におけるトランクスペースは、ロードスターの比にはならないほどで、ゴルフバッグを入れることだってできそうだ。ルーフを閉めている間は「2人で買い物に行って、荷物も十分に載る」実用性が得られる。

ロードスターのルーフは、車内中央にあるフックを手動で解除し、後方へとたたむだけ

コペンGRスポーツはボタン一つでルーフが開閉可能。3車種の中で最もラクにオープンにできるが、当然ラゲッジスペースに荷物があればルーフを収めることはできない

 ちなみにオープンにする方法は、コペンGRスポーツがもっとも手軽。ボタン一つで開閉する。ロードスターは室内から手動で開閉可能。S660は幌の収納スペースがフロントボンネット側にあるため、一度降車する必要がある。

維持費で考えたら軽スポーツ

 クルマを所有する上で頭を悩ませるのが維持費だ。軽自動車であるS660やコペンGRスポーツの方が普通車であるロードスターに比べて安価であるのは言うまでもない。税金面では、ロードスターの場合、自動車税は年3万500円、自動車重量税が年8200円であるのに対し、軽自動車の2車種は自動車税が年1万800円、自動車重量税に至っては年3300円と、ロードスターと比べ3割程度の税金で済む。

 燃費はJC08モードの場合、ロードスターが17.2km/L、S660が21.2km/L(MT)、コペンGRスポーツが18.6km/L(MT)と一見大きく変わらないものの、S660とコペンがレギュラーガソリンであるのに対し、ロードスターはハイオク専用車であるため、一回の給油では数百円程度の差であっても、年間で考えると大きな差となってくるハズだ。

 車両本体に関して言えば、コペンGRスポーツが約250万円と安価。S660 Modulo Xは300万円に達する。いっぽうロードスターは260~330万円の間となる。軽自動車で200万円とか300万円はちょっと……と思われるが、近年軽自動車は装備が充実しており、軽ワゴンでもナビを付ければ200万円は超えてくる。正直、ここは個人の価値観だが、オープンカーの快感はプライスレスだと思う。

 「万能性」を求めるならロードスターを選んで間違いない。一方で「クルマに実用性より楽しさを求めたい」という考えを優先するなら、ファーストカーだとしても軽オープンを選ぶのもアリだと思う。筆者はロマンと楽しさでファーストカーとしてS660を選び、荷物が載らない問題は常に抱えていても仕事の脚として屋根を開けて日々走り回っているし、まったく後悔していない。

 狭い、荷物が載らないと、買わない理由はいくらでも出てくるが、買えば案外何とかなったりするものだし、惚れたら最後、理屈はすべて吹っ飛ぶ。人生を楽しみたいなら、少しでも興味を持ったらディーラーやレンタカーなどで一度、これらのクルマを試乗して欲しい。SUVや軽ワゴンでは味わえない魅力を知ると、きっと欲しくなるだろう。

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