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2024年度中の改善・予防スマートフォンアプリの実用化を目指す

KDDIが「スマホ依存」研究を開始、脳神経科学とAIを活用

2020年07月10日 19時30分更新

文● ASCII

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共同研究イメージ

 KDDI、KDDI総合研究所 、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、XNef(エックスネフ)は7月10日、脳神経科学とAI(人工知能技術)を組み合わせ、スマートフォンの使い過ぎなどの「スマホ依存」に関する共同研究を開始したと発表した。今後4社は、スマホ依存の実態調査・解明を進め、2024年度中のスマホ依存の改善・予防を行なうスマートフォンアプリの実用化を目指す。

 KDDIとKDDI総合研究所は、より安全・安心なスマートフォンの利用環境を提供するため、人工知能を応用したデータドリブンで高度な脳活動計測・解析技術で実績のあるATRおよび、脳神経科学研究の医療への応用・実用化を行っているXNefと共同で、スマホ依存の実態調査・解明と、脳神経科学とAIを活用したスマホ依存の改善・予防を目指す研究を開始した。また、今後は病院などの医療機関との協力関係を構築し、研究活動を拡大していくという。

 スマホ依存に関わらず、依存状態にある場合、一般的には本人が依存状態を自覚することが難しいという特徴があるという。そのため、本共同研究では、脳情報やスマートフォンの行動情報をAIで解析し、スマホ依存の状態を検知する手法の開発を目指す。さらに、精神疾患との関連性なども調査し、スマートフォンの利用状況から精神疾患を類推する手法などの開発を目指すという。

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患では、投薬などの物理的なアプローチではなく、心や身体、脳に働きかける心理的なアプローチによる治療法が検討されており、なかでも、DecNef(デックネフ)法を用いた治療法が検討されている。本実証実験では、DecNef法を活用し、スマホ依存を引き起こす脳活動を可視化し、スマホ依存の程度を軽減する手法を研究する。

 さらに、スマホ依存の実態調査・解明を進め、スマホ依存の検知・改善・予防を行なうスマートフォンアプリの開発に向けた課題の確認・手法の検討を行い、最終的には、2024年度に実用化を目指す。

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