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テレビで話題の「天然食材ハンター」が明かす、本当にうまいものベスト5

2020年07月05日 06時00分更新

文● 谷田圭太(ダイヤモンド・オンライン

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巨大魚、アナグマ、凶暴な亀など、さまざまな生き物を手づかみで捕獲する「野人」こと、天然食材ハンター・谷田圭太氏。その食材の質はミシュラン星付きレストランもうならす。「たけしのニッポンのミカタ!」(テレビ東京系列)でも話題の谷田氏が、今まで捕獲し、食した天然食材で、最もうまかったベスト5を選んだ。(天然食材ハンター 谷田圭太)

天然食材ハンターは
どういう仕事なのか

 皆さん初めまして。

 私は天然食材ハンターを仕事にしています谷田圭太といいます。今回はご縁を頂き原稿を書かせていただくことになりました。読者の皆さんに、私が日頃見ている世界の一端を紹介できればと思っています。よろしくお願い致します。

 そもそも「天然食材ハンターってどんな仕事?」と思われる方も多いと思います。

 簡単に言うと、自然の中にある、おいしいと思う食材を探して捕獲・採取し、えりすぐりの物を届ける仕事です。

 届ける相手、つまり、お客様は調理関係者の方々です。

 ですので、読者の中には、知らないうちに私が獲った物を食べたことがある人がいるかもしれません。

 主に山や川や湖などで、植物や木の実、果実、魚や亀、他には外来種といわれている生き物、キノコなどを獲っています。

 自分が獲った食材をお客様に提案したり、逆に、お客様から「こんな食材ないかな?」などの話を頂き、出荷していく仕事です。

「獲物を獲って出荷するだけなら簡単だ」と思って、やりたくなる人も多いかもしれません。

 しかし、現実は甘くない仕事です。

 いつもは川の流れが穏やかで魚などを狙える場所でも、大雨によって流れが変わったり、蛇行して水がない場所になったりして、獲物が全く獲れなくなることもあります。

 もちろん、全てが自然相手なので誰が悪いわけでもないのですが、どんな状況になっても対応しなければならないのです。

 特に今年は、去年の台風被害による洪水で、それまでとは全く違う川になってしまい、獲物を狙えるポイントも全部探し直しです。

 毎日が新しい発見の連続で、自分が当たり前のように考えていることが次々に書き換えられていくような感じです。

 例えば、今までの記録を見返して、「この時期にはいない」と思われる場所で、試しに釣り糸を垂らしてみると、とんでもない数の魚が釣れてしまうこともあります。

 逆に「去年はここでたくさん釣れた」という場所で全く釣れなかったりもします。

 とはいえ、そんな場所で、今まで獲ったことのない魚や亀などを見つけたりするから不思議なものです。

 とにかく同じ日々はない仕事です。

 そして、毎日、これだ!と思う食材をとことん探します。

最高においしい
天然食材トップ5

 天然食材ハンターという仕事には、先述のように厳しいこともありますが、それ以上に多くの喜びがあります。

 その一つが、天然食材のおいしさを味わえることです。

 この喜びを1人でも多くの読者に知ってもらうため、私が今まで食べた中で「これはうまい」と感じた食材のトップ5を紹介してみようと思います。

 なお、おいしいものはたくさんあるため、今回は川の食材に絞ってランキングしてみました。

 川というのは、海に近い河口から上流の水源地までかなり距離があり、それぞれの場所にいろんな生き物がいます。書いているだけでもワクワクしてきてしまうぐらい、実にたくさんの食材があるのです。

 前置きはこれぐらいにして、さっそく5位からクイズ形式で発表していきます。

 この食材は、比較的きれいな水の浅瀬で、せせらぎが聞こえるような場所で見つけることができます。

 そして、元々日本に生えていたものではないです。

「生えていたもの」という言い方から分かるように、この食材は植物です。

 外来の植物で、肉の付け合わせに使ったり、バター炒めやサラダにしてもおいしく食べられます。

 答えはクレソンです。

 別名オランダガラシ。とても簡単に増える水草です。

 ランキング上位がいきなり植物で、拍子抜けしたでしょうか。

 しかし、クレソンは栄養価も高くとてもおいしい外来種です。そして、外来種でも厄介払いされていないタイプの植物です。

 クレソンを出荷する時期は春先で、新しい新芽を摘んで集めます。

 ちなみに、私がクレソンを含めてさまざまな食材を卸しているのは東京・渋谷区の和食店「傳」。人気が高く、予約を取るのがとても難しいお店ですが、一度でも良いので行ってみてほしいお店です。

 お客様を幸せな笑顔にさせてくれるお店で、人を大切に思う気持ちのあふれた従業員の方々がいます。

4位は中国で有名な
アレの仲間

 次は4位です。

 この子は川にある石の下や窪み、物陰の下などに身を潜め、日中はまず外には出てきません。土に穴を掘ってその中に隠れています。

 待ち伏せて自分の近くに来る魚や虫などをよく食べます。川にいる生き物ならだいたいの物を食べ、時には死んだ生き物も食べます。

 私の場合、この生き物が棲む穴に手を突っ込んで捕まえるのですが、その際に挟まれると、とても痛いです。

 正解はモクズガニです。

 中国の上海蟹の仲間でとてもうまいカニです。

 特に、日本酒に漬けて3日位寝かせた物を蒸して食べると最高にうまい!

 モクズガニは中華料理店に卸すことが多いのですが、お客様に出さずに自分で食べている人が多く、世に出ることが少ないのです。うまいので気持ちはわからないでもないのですがね(笑)。

 続いて3位です。

 うろこがまるでないような姿で、縄張りを作る魚で、キュウリやスイカの香りがする香魚。

 河原などに生える植物の「たで」で作った「たで酢」で食べるととてもおいしい魚。

 答えはアユです。

 小さいのにとても力のある魚で、前はサケの仲間とされている時期もありました。

 私の幼少期に亡き父と一緒に相模川でよく釣りました。

 亡くなる前に「またアユを釣りたいなー」と言っていたのが耳に残っていて、私の中では特別な魚です。それゆえに思い入れも強く、アユは出荷しておりません。

同着2位に
意外な生き物

 いよいよ2位です。

 冬場は冬眠しています。春先まで土の中や水草の中などでジッとして待ちます。餌を食べることなく半年ぐらいは生きます。

 春先になると動き出し、日光浴がとても好き。水中にずっといると皮膚病になってしまうこともあります。

 6月頃から産卵の時期を迎え、「恋は盲目」という感じで、常に2匹で仲良く一緒にいます。

 8月頃から脂がのり始めて、秋が深まると旬を迎えます。

 答えはスッポンです。

 特に冬眠直前のスッポンは最高にうまく良いだしが出ます。

 コラーゲンが多く、食べていると唇がペタペタする感じです。

 8月から捕獲し始めるのですが、私が獲るスッポンはぶ厚く脂もたっぷりの旬の物だけです。

 そしてこのスッポンと同じぐらいうまい、同着2位の生き物がいます。

 それがカミツキガメ。

 春先によく獲れる、とてもおいしい亀です。

 ただし、捕獲時にかみつかれると確実に怪我をします。

 なお、カミツキガメは特定外来種で生きたままの移動は禁じられ、飼うこともできません。

 スッポン、カミツキガメともに東京・二子玉川にある「二子玉きんしゃい」「玉川三丁目酒場」の2店に卸しています。もし食べてみたい方がいれば、確認の上、行ってみてください。

1位はやっぱり
王道のあの魚

 ついに1位です。

 夜行性で狭く深い穴を好み、日中はまず出てきませんが、雨が降って水が濁ると活発に日中でも泳ぎ回り、上流へと上がっていきます。

 私は穴釣りという方法で、300g以上の大物を狙います。

 もうお分かりかもしれませんね。ウナギです。

 脂ののった清流の天然ウナギには泥臭さなんて全くなく、身がしまっていることもあって味にクドさはなく、焼けば皮はパリっと、身はふわっジュルって感じです。

 私がウナギを卸しているのは静岡県静岡市にある「炭焼き鰻 瞬」と福岡県北九州市の「照寿司」の2店だけです。

 たくさん獲れたとしても、300g未満のウナギはリリース。また、300g以上あっても体が細ければリリース。本当にうまいと思えるものだけを出荷するので、この2店舗以上は用意できないのです。

何が獲れるかは、自然が決める ―予約注文、お断りします。何が獲れるかは、自然が決める ―予約注文、お断りします。
谷田 圭太 著
定価1650円
(春陽堂書店)

 この原稿を書く前日に「炭焼き鰻 瞬」で自分がとったウナギを食べる機会がありました。とてもおいしく料理していただき涙が出る思いでした。

 もっと多くの人たちに、本当においしい天然食材を食べてもらいたいと心から思い、心の底から力が湧きました。

 今回は川のおいしい天然食材ベスト5でしたが、他にもおいしい天然食材が取れる場所はいくつもあります。それぞれのベスト5をいずれまた、ご紹介できればと思っています。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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