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圧倒的な没入感が得られるというスピーカー「SA-Z1」を自宅で聞いてみた

2020年06月16日 17時00分更新

文● ASCII

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ミニチュアのステージが机の上に展開された

 前置きがかなり長くなったが、自宅にやってきたSA-Z1を設置し、さっそく試聴してみることにした。

 設置した机は木製で、大きさは120×60㎝と一般的なもの。机は会社の重役のように、部屋全体が見渡せる状態で内側に向けてあり、自分は壁や本棚を背にして座る。机の周囲にも仕切りがないため、比較的オープンな場所での試聴となる。

とりあえずは周囲に何もないオープンなスペースに置いてみた。

 SA-Z1は片側だけで10㎏ちょっとあり、非常にズッシリとしている。オーディオ機器を扱う際にいつも使っている手袋をはめて、恐る恐る机に置く。付属品としてケーブルが何本かついているが、とりあえず必要なのは電源ケーブルが2本(太い本格的なもの)、左右をつないでデータのやりとりや再生の同期をするためのデジタルケーブルだ(端子はベローズタイプとなっていてこれも太い)。

入力端子は、アナログ・デジタルともに豊富だ。ウォークマン用の入力端子も備えている。

 Windows 10では、USB端子に接続すると、自動的にドライバーがインストールされる。XLR端子や光/同軸デジタル端子を持ち、SACDプレーヤーなども接続可能だが、とりあえずノートPCにつないで、Amazon Music HDの排他モードで再生してみた。

珍しい、USB Type-C⇔角形USB端子、WMポート⇔USB Type-C(に充電用端子を追加したもの)などが同梱する。

 音を出して最初に感じたのは、異様なまでに決まった定位感だ。再生ボタンを押した瞬間に、ノートPCの画面付近に宇多田ヒカルの頭がニュッと出てきた(笑)。音自体は斜め下の左右から鳴っているハズなのだが、まじまじとスピーカーを眺めても、その感覚はない。ちょっと脳が混乱するような新しい体験である。

 「なるほどこれが、ニアフィールド再生……」と、ボンヤリと考えながら、しばらく聞き続ける。デスクトップスピーカーでは製品によって、後方に音場が展開される場合もあるが、SA-Z1の音像はユニットの前方に出てくるタイプで、音場も左右に置いたSA-Z1の間にある、1メートル四方ぐらいのスペースの中にできる。雰囲気としては、机の上にミニチュアライズされたステージが形成され、それをステージ全体の様子を見渡せる2F席などから客観的に眺める感じに近い。

頭を突っ込むと、空間の中に入ったような感覚が味わえる。ほかに仕切りの板にタオルを掛けたり、段ボールで半分囲むなどしてみた。天井方向も少し考えた方がいいかもしれない。

 かぶりつきのような臨場感はないが、ディティールの再現や分離感は相当に高い。このステージの上に、個々の音が凝縮されて配置されるのが興味深い。録音によっても異なるが、センター定位が明確なボーカルものであれば、空間の中央にフィギュアぐらいの大きさ(全身が20~30㎝ぐらいの高さ)の歌手が立つ、もしくは肩から上の頭部のみが浮かび上がってくる。また、この空間に頭を突っ込むと、ステージに近づいたり、離れたりするような感覚があるのも面白いところだ。

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