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業界一の自転車バカが薦める、アフターコロナに選ぶべき5台とは

2020年06月14日 06時00分更新

文● 菊地武洋(ダイヤモンド・オンライン

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Photo:PIXTA

新型コロナウイルスによる影響で人々の暮らし方が変わりつつある。こうした中、感染防止や通勤のストレスを回避する交通手段として、自転車の人気が高まりつつある。そこで、過去に数千台の自転車に試乗し、『ロード極めるなら業界一の自転車バカに訊け!』(小学館)シリーズの著者でもある自転車ジャーナリストの菊地武洋氏が、アフターコロナにお薦めの自転車5台を紹介する。

欧州で広がる
自転車通勤

 日本では5月が自転車月間、そして今月、6月3日は国連が定めた世界自転車デー。

 新緑の美しいシーズンはサイクリングにうってつけだし、コロナ禍により、自転車通勤・通学はがぜん注目を集めている。

 イギリスは2億5000万ポンド(約340億円)を奨励予算にし、フランスも自転車レーンの設置や補助金に2000万ユーロ(約25億円)を投じるなど、自転車通勤は「新しい生活様式」のひとつとして注目を集めている。

 日本において、実は「新しい生活様式」が広がる以前から自転車通勤を実践している人は増えつつある。

 背景にあるのが、街中の自転車環境の急速な向上である。読者の中には、車道に青くペイントされた通行帯が増えていることに気づいている人も多いのではないだろうか。

 この自転車用の通行帯が記されるようになり、車からクラクションを鳴らされたり、幅寄せされてヒヤッとする回数も減ってきた。なので、ぜひ、この機会に自転車通勤の魅力を知ってもらいたい。

自転車通勤の
3つのメリット

 自転車通勤によるメリットは大きく3つある。

 1つ目は時刻表に縛られず、最短経路を使えること。

 公共交通機関を使っていれば、さまざまな理由で電車が遅れることもある。その点、家と会社を最短ルートでつなげられる自転車は、通勤時間が安定している。

 会社までの距離や信号の状況などによって違いはあるものの、パンクなどのトラブルがなければ、通勤時間の誤差はせいぜい3分程度。体力がついてくれば、時間短縮もできるようになる。

 2つ目は満員電車を避けられること。

 アフターコロナにおいて、これこそが自転車通勤の最大の魅力だろう。

 ちなみに、自転車に乗っているときにマスクをつけるべきかどうか。

 これについては、日本スポーツ協会のガイドライン(6月5日段階)と照らし合わせると、自転車で走行中はマスク着用よりも、周囲との距離に注意すればいいとのこと。

 とはいえ、通勤途中でコンビニなどに寄ることも考えれば、常にマスクは携帯しておいたほうがいいだろう。

 3つ目は健康の維持につながることだ。

 適度な有酸素運動はダイエットだけでなく、脳を活性化する効果もあるといわれている。

 ダイエットの効果に関しては、運動量がポイントになる。頻度と距離、正しい負荷などの条件によって結果に差は出る。

 ペースの目安は「ギリギリ独り言が言える程度」。できれば心拍計があると、効果的な運動が可能だ。

 目標とする心拍数の計算は下記の通りだ。

(220-年齢)-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数

 健康増進やダイエットであれば、運動強度は50~60%がターゲットとなる。

 したがって、たとえば、50歳で安静時心拍数が60拍/分の人の場合は下記となる。

(220-50歳)-60拍/分)×50~60%+60拍/分=115~126拍/分

 115~126拍/分をターゲットにペースを上げたり、下げたりするのが効率的とされる。ただし、ウオームアップやクールダウンは十分にすべきなので、家を出ていきなり全開で走るようなことは避けてほしい。

クロスバイクで
お薦めの2種

 前置きが長くなったが、では自転車通勤をすると決めた後、自転車選びはどうすればいいか。

 自転車にはロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイクなど、いくつかの種類がある。

 通勤に向いている自転車を選ぶ際の大事なポイントは、適度な走行性能と価格とのバランスだろう。

 住んでいる場所やオフィスの地理的な条件によっても違うが、最大公約数で考えるとクロスバイクは最善といえる。

 クロスバイクとは、ロードバイクよりも太いタイヤと一文字型のフラットハンドルが特徴の自転車で、スピードや軽さではロードバイクに劣るものの、値段が比較的安く、乗り心地も良い。

 では具体的にお薦めのモデルは何か。

 まずはジャイアント「Escape R Disc」だ。

 この商品はクロスバイクのベストセラーモデルのディスクブレーキ仕様である。フレームはアルミを液圧成形して形状を最適化、ブレーキは操作感が軽く、制動力にすぐれる油圧ディスクブレーキを採用している。

 もともとクロスバイクのジャンルを得意としてきたジャイアントらしく、6万2000円という価格設定はライバルが気の毒になるほどのコストパフォーマンスを誇る。

 アメリカンブランドの盟主、トレッククロスバイクも乗りやすさで人気が高い。

 お薦めは「FX2 Disc」だ。

 これはフィットネスライドから、通勤までをカバーするスポーティーモデル。サドルやハンドルグリップなど体に触れるパーツはオリジナルで質が高い。また、ディスクブレーキを搭載しているので雨天の下り坂でも安定して止まることができる。

予算があれば
E-Bikeも視野に

 予算に余裕がある人にオススメなのは、モーターの力によってアシストするE-Bikeだ。登坂が気にならないだけでなく、向かい風にも威力を発揮するため、自転車通勤の頻度が高くなり、ダイエット効果も高いという検証結果もある。

 ちなみに、いわゆるママチャリを電動アシスト化したものを電動アシスト自転車と呼ぶのに対し、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなどのスポーツタイプの電動アシスト付き自転車をE-Bikeと呼んでいる。

 E-Bike界のテスラとの呼び声も高いのが、オランダのバンムーフだ。

「S3」は発表間もない新製品で、旧型のS2よりも18万円も安くなり、しかも性能が向上しているという話題作だ。

 25万円と安くはないが、オプションの補償サービスに加入すると、メンテナンスだけでなく盗難も補償してもらえる。ライトとフレームを一体化するなど、デザイナーズバイクらしい美しいフォルムは世界的に評価が高い。

 さすがに25万円は出せないという人にお薦めなのが、通勤・通学に特化して装備を充実させているブリヂストンサイクル「TB1e」

 クロスバイクであれば、通常は別途購入する必要があるスタンドや泥よけ、ライトや鍵を標準装備しており、価格は12万9800円。

 前輪をモーター、後輪を脚力で駆動させる前後駆動方式を採用。走りながら充電する機能を備えており最大130㎞も航続する。

 最後の一台はイギリスのブロンプトン社「M6R」だ。

 同社の自転車はもっとも走行性能が高い小径車といわれており、さらに簡単に折りたためる機構を誇る。

 折りたためば16インチの小さいホイールとほぼ同じ大きさになるので、オフィスに駐輪場がなくても、デスクの片隅に置ける。

「M6R」は坂道の多いエリアでも安心のワイドギヤレシオを搭載。付属のキャリアは10㎏までの積載が可能なので、PCなどを背負わずに走行することが可能だ。

 快適な自転車通勤をするために、まずは自転車での通勤を会社が認めてくれるかどうかを確認しよう。通勤中、万が一事故にあったとき、労災扱いかどうかのトラブルを避け、安心して走るためにも、これは絶対に必要だ。

 また、自転車通勤をする際には、ぜひともヘルメットとグローブを忘れずに装着してほしい。自転車保険への加入も必須と考えるべきだろう。

 今回紹介した5台であれば、平均して1時間で15~20㎞ぐらいの移動ができるようになる。ニューヨークやロンドンだけでなく、世界的に自転車での移動は盛んになると言われている。日本の都市も、今後、健康とモビリティーを両立させる自転車通勤が増えていくのは間違いないだろう。

(自転車ジャーナリスト 菊地武洋)

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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