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VDIソリューションへの問い合わせが倍増、この動きを「DX成功への道のり」につなげるために

「コロナ以後の“スマートノーマル”実現を」レノボES・ロボトム社長

2020年06月15日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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DX推進につなげるため「文化だけでなく、テクノロジーも見直すべき」

 これまで日本企業におけるテレワーク/在宅勤務が抱える課題は、主に企業文化などの面で指摘されることが多かった。しかし、今回明らかになった実態を見るとそれだけではなかったと、ロボトム氏は指摘する。

 「これまで、われわれ自身も『課題があるのはテクノロジーではなく文化的な面』だと言ってきたが、今回を見るとテクノロジー面もまだまだできていない部分が多いと感じた。ここまで(大規模に)テレワーク/在宅勤務を実施するためには、やはりテクノロジー面ももう一度見直すべきではないか」(ロボトム氏)

 従来想定されていたような小規模な(一部従業員だけの)テレワーク/在宅勤務であれば、オンプレミスの業務システムはそのまま、VPN経由のリモート接続やVDI、コラボレーションツールなどを整備すればまかなえた。だが全社的な実施となると話が大きく変わってくる。今回をきっかけに、たとえばハイブリッドクラウド環境への移行を再検討するような動きも出てくるだろうとロボトム氏は説明する。

 VDIソリューションには「自信がある」と語るロボトム氏だが、LESとして最終的に提案、提供したいものはVDIではなく「DXの推進」であり、「顧客ビジネスの成長」だと明言する。そのためにも、VDIやハイブリッドクラウドをテーマとした顧客とのワークショップ開催を通じて、既存業務そのものも含めて議論し、まずは顧客のビジネスやデジタル戦略の“全体像”に対する理解を深めることを重視しているという。

 「たとえば1年後に業務システムを全面クラウド移行すると決まっているのであれば、VDI導入が最適な提案とは限らない。むしろVDI化することで、DXの足を引っ張る可能性すらある。われわれの役割はDX推進を支援することであり、そこでのバランス感覚は大切。その時点でビジネスにはならなくても、顧客との良い信頼関係が生まれる」(ロボトム氏)

 早川氏も、VDIソリューションはHCI導入のきっかけになるが、同時に、そこにとどまることなく「データセンターのモダナイズ」「ハイブリッドクラウドの実現」といったDXの道のりを開くものでもあると語った。

LESが考えるDX実現への道のり。ただし、ロボトム氏も指摘するとおり、これは各企業により異なり一様ではない

 冒頭で触れたとおり、ロボトム氏は「“スマートノーマル”を実現する大きなチャンスが来ている」と語る。DX推進へと進むためには、単なる新しい標準様式(ニューノーマル)ではなく、“スマートな”新しい標準様式を考え、実現していくことが必要だ。「VDIに対する考え方が変わってきたように、さまざまな側面で顧客企業の考え方が変化している。これをきっかけに、日本全体のDXを進められたらと考えている」(ロボトム氏)。

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