実際にWIPに参加するための方法
WIPへの参加は大きく2段階ある。最初は、ウェブサイトでMicrosoftアカウントを登録する。これでMicrosoftアカウントがWIPに登録される。その後、Windows 10の「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Insider Program」でリングを選択してWIPを該当マシンで有効にする。WIPに登録したからといってすべてのPCをWIPに参加させる必要はなく、PCごとに参加、非参加を決定できる。また、1台も参加させないという選択も可能だ。
PCでWIPを有効にすると再起動が必要になる。その後、Windows Updateに参加リングに応じたプレビュー版が配布される。これをインストールすれば、プレビュー版が動作する。なお、WIPに参加するためには、Microsoftに診断データを「完全」に設定する必要がある。逆にいうと、診断データを「基本」としたままでは、PCをWIPに参加させることはできない。プライバシーに敏感な人は、ここがネックになるかもしれない。
参加するリングを変更する
WIPに参加してリングを選択したあと、リングを変更したくなることがあるだろう。このような場合、下位リング(マイクロソフトは低速リングと呼ぶ)から、上位リングへの移行は設定変更のみで簡単にできる。しかし、上位リングから下位リングへの移行や、WIPからの離脱では、原則Windowsの再インストールが必要になる。
ここには例外があって、Slow、Release PreviewリングからのWIP離脱に関してのみ、設定でできる。つまり、1回Fast Ringに参加してしまうと、再インストール以外に離脱する方法は現在ではない。過去には、Fast Ringで次期バージョンが配布されていたため、正式版配布のタイミングで離脱することが可能だったのだが、19H2以後、FastRingの位置付けが変更になり、Fast Ringでは正式版候補となるプレビュー版は配布されない予定だ(役割変更されてから一度も一般向け正式版配布を迎えていないので確定情報ではないが、おそらく間違いない)。
Slow、Release Preview Ringから通常版Windowsに戻る
Slow RingやPreview Ringからは、今月のような一般向け正式版が配布されるタイミングで、WIPから離脱することができる。それには、以下のように設定しておく。
「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Insider Program」→「プレビュービルドの受信を停止する」をオンにする。
これで、次期Windowsの正式版が配布されたとき、該当のPCは、Windows Updateで正式版を受信してインストールがされ、この時点でWIPから離脱する。
Fast Ringから抜け出すには再インストールが必要
Fast RingからSlow Ring以下に移行するには、Windows 10を再インストールする必要がある。簡単な方法は、マイクロソフトが提供しているメディア作成ツールを使って、PCをアップデートすることだ。
●メディア作成ツールのダウンロード
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10
※ページ中央の「ツールを今すぐダウンロード」をクリックする
以前はこのツールではプレビュー版から正式版へのダウングレード(ビルド番号的には正式版よりもプレビュー版のほうが新しくなる)ができなかったが、現在配布中のバージョンでは、ダウングレードも可能になっている。
ただし、設定やインストールされたアプリケーション、ユーザーデータを引き継ぐことができず、完全再インストールとなるため、必要なデータは自分でバックアップしておく必要がある。もっともバックアップが必要なデータを置くようなマシンは、WIPに参加させないほうがいいだろう。いつでも再インストールが可能な「きれいなカラダ」のマシンだけをWIPには参加させるべきだ。
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