最新パーツ性能チェック 第290回
分散コンピューティングプロジェクトでSARS-CoV-2に関する研究を促進
モンスターPCでFolding@home、新型コロナ研究に貢献してみた
2020年04月09日 11時00分更新
リソース負荷の設定を変えるとどうなる?
最後は演算にどれぐらいのマシンリソースを使うかの設定だが、Folding@homeには簡易設定として「Light」、「Medium」、「Full」の3段階がある。これはマシンのスペックによっても状況が変わるので、あくまで筆者宅のPCの場合はこのぐらいということで参考にしてほしい。検証環境は以下の通り。
| 主な検証環境 | |
|---|---|
| CPU | Intel「Xeon W-3175X」(28コア/56スレッド、3.1~3.8GHz) |
| CPUクーラー | フル水冷(12cmファン×9) |
| マザーボード | ASUS「ROG Dominus Extreme」(Intel C621) |
| メモリー | G.Skill「Trident Z Royal F4-3200C16Q-64GTRS」(DDR4-3200、16GB×4、XMP適用)、G.Skill「Trident Z Royal F4-3200C16D-32GTRS」×4(DDR4-3200、16GB×8、XMP適用) |
| グラフィックス | ASUS「ROG-STRIX-GTX1080TI-O11G-GAMING」(GeForce GTX 1080 Ti) |
| ストレージ | Intel「SSD 760p SSDPEKKW010T8X1」(NVMe M.2 SSD、1TB) |
| 電源ユニット | SUPER FLOWER「LEADEX III GOLD ARGB 850W」(80PLUS GOLD、850W)×2 |
| OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(November 2019 Update) |
今回検証する我が家の自作PC。オーバークロック検証用に電源ユニットを2基も搭載しているせいか、アイドル時でも200W弱の電力を貪る(電気代1kwあたり27円、24時間365日で計算すると年間約4万7300円)都合上、電源が入っているだけで主人から「金食い虫」と罵られる悲しきモンスターである。なお、このマシンに投資した総額は100万円を超えているものの、これまでの用途は職場の生放送や記事のネタ、Twitterしかなかったので、これを機に全人類に貢献できるかと思うと感慨深いものが込み上げる……
Web Contorlの場合、マシンリソースの簡易設定は「Power」から「Light」、「Medium」、「Full」の3段階から選ぶ。なお、「When」は演算するシチュエーションの設定で、デフォルトの「While I'm Working」は常に演算するモード、「Only when idle」はアイドル時のみ演算するモードだ
Light設定時はCPUとGPU、両方のワークユニットがあってもCPUしか使わない。CPU使用率は30%前後と低めだが、これはマシンのCPUによって異なる。Folding@homeの高度な設定では使用するCPUの論理コア(スレッド)の数を任意に決められるが、現時点での最大値は32コアとなる。ゆえに、筆者宅のPCに搭載しているCPUはXeon W-3175X(28コア/56スレッド)では、そもそもオーバースペック気味なので、CPU使用率は目安にならない。
「CPU」を選択して、右下の「Edit」をクリックすると、稼働するスレッド数の設定が出てくる。デフォルトでは「-1」となっており、これは「-1 lets the client choose.」と説明があるため、クライアントが稼働するスレッド数を自動調整するという意味だと思われる
そこで、アクティブに稼働しているスレッド数に着目してみたところ、15スレッドであることがWeb Control上で確認できた。つまり、56スレッド中15スレッド、およそ27%。これにその他の常駐アプリやOSを動かしている少数スレッドを入れると、CPU使用率30%前後もうなづける計算だ。ちなみにシステム全体の消費電力は320~340W前後だった。アイドル時でも200W弱のマシンなので、そう大きな上昇ではない。

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