あくまで「ちょい足し」の範疇で考える
「うちで食べよう」ではありませんけれども、STAY HOMEが推奨され、出かけるときは三密を心がけるとなりますと、どうしても家でごはんを食べることが増えてきます。
そんな中、お湯を入れて数分でできあがるカップ麺は、強い味方です。しかし、たくさん食べていると、どうにも飽きがくるときもあるのではないでしょうか。
そこで“味変”やアレンジとなるわけですが、味変は味が強いともとの味わいが失われてしまいますし、あんまり凝ったものだと、ちょっと手間がかかります。
もちろん、否定するわけではありません。味変には無限ともいえる自炊の可能性が広がっていますし、かつてアスキーグルメのナベコさんが提案したように、アレンジでカップ麺も気の利いた一品に進化するのです(カップヌードルを家で食べるなら絶対やってみたいアレンジ3)。
そこで筆者は、手間をかけずに少しだけ味を変える、「ちょい足し」をメインに考えることにします。ちょい足しで最強だと思っているのが、実は、ごま油です。
味変界のユーティリティープレイヤー
最強、という表現には語弊があるかもしれません。ごま油は突出したアタッカーではなく、どちらかといえばユーティリティープレイヤーなのです。理由は以下の3点。
・コクと香りが出る
・味わいがそれほど変わらない
・わりと何にでも合う
まず、「コクと香りが出る」点について。これはごま油らしいポイントで、まろやかなコクとよい香りが出るので、カップ麺の塩気が強いスープに深みをあたえてくれます。
注意したいのが、入れすぎると、さすがに油っぽくなってしまう点。あくまで香り付けというニュアンスでおたのしみください。
「味わいがそれほど変わらない」点はどうでしょう。かつての中華料理店などでは、ラーメンを食べる際に、卓上のコショウやラー油などを使っていたものです。もう、昭和の風景でしょうか? だけれども、それらはやはり味が大きく変わる側面もあります。個性が強すぎるときがある。
味変というと、たとえば、マヨネーズとか、ケチャップとか、西洋的な調味料に頼る手もあります。これもまた、ずいぶんテイストが変化してしまう。対して、ごま油は、香りとコクこそ追加しますが、味わい自体を大きく変えるわけではありません。カップ麺がもともと持っていた雰囲気を消したくない人にもオススメなのです。
最後は「わりと何にでも合う」。主観だろと言われればその通りですが、しかし、ごま油が合わないカップ麺はすくないのではないでしょうか。
「味わいがそれほど変わらない」点とも共通するのですが、ごま油自体に強い味がついているわけではないので、たとえば日清食品のカップヌードルでいえば、カップヌードル、シーフードヌードル、カップヌードル カレー、チリトマトヌードル、だいたい何にでも合います。
担々麺やちゃんぽん系の商品にはもちろんのこと、日本そばやうどんにも、入れすぎなければ、なかなか調和してくれます。カップ焼きそばにも相性はよいですが、スープで薄まらない分、量の加減はより重要になってきます。注意してください。
入れすぎには注意してください
ポイントとしては、とにかく、入れすぎないこと。香り付け、コクを足す隠し味として考えてください。入れすぎると香りが立ちすぎますし、油分が強くなってしまいます。
そうそう、「おすすめのごま油はないのか?」と言われそうですね。ここで高級なものを紹介すると箔がつきそうなところですが、実は、あまり高価ではないもののほうが、カップ麺に入れるときには向いていると思っています。
というのは、カップ麺というのは総じて味の押し出しが強いので、品がよいごま油だと効果が薄いのです。スーパーやコンビニで売っているもの、普段の料理に使用しているもので、結構ではないでしょうか。
カップ麺に飽きたな〜と思ったら、ごま油をちょい足ししてみてください。劇的に雰囲気が変わるというほど強くないのが、逆に、新しい飽きを生まないポイントなのです。そこから、自分なりのカンタンな味変やアレンジを見つけるのも楽しいかと。お試しください。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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