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新たなド定番な電源! 迷ったらSeasonic「FOCUS PX」シリーズがオススメ

2020年03月31日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

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 電源選びは自作PCにおいて、かなり重要な要素になる。CPUやGPUからなにもかも電源があってこそで、性能や安定性が低いものを選ぶと、高負荷になった途端、不安定になったり、起動にずっこけたり、スリープがうまく行かないなどなど、多くのインシデントと遭遇しがちだ。

 また長時間のゲーミングライフや、それよりも高負荷が延々と続くクリエイティブワークになると、より安定した電源供給が必須となり、しっかりとした電源選びが大切だ。

 しかし、自作PC用電源ユニットは多く登場しており、いざ選ぼうとすると判断が難しい。そこで今回はゴリっと負荷テストをしたうえで、使い勝手のいい電源であるSeasonic FOCUS PXシリーズを見ていく。Seasonic FOCUS PXシリーズは、定番電源となっていたSeasonic「FOCUS PLUS」の後継機になる。

高い電力変換効率の指標となる80 PLUS Platinum認証を取得したSeasonic「FOCUS PX」シリーズ

 FOCUS PXシリーズには、FOCUS-PX-650、FOCUS-PX-750、FOCUS-PX-850の3種類があり、末尾の3桁の数字=定格電力になる。まず選ぶ際には、想定するシステム構成の要求電力の2倍くらいが目安。FOCUS-PX-750(定格電力750W)であれば、フルロード時375~450Wくらいの構成がベターになる。

 これはマラソンと同じで、定格電源ギリギリの状態で長時間駆動させるのは長期運用に適しておらず、余裕をもったスペックが正解だ。

 FOCUS PXシリーズは、すべて80 PLUS Platinum認証を得ており、20%負荷時でも約90%の電源変換効率であるため、将来的にスペックアップするつもりであれば、最初からFOCUS-PX-750、FOCUS-PX-850がオススメだ。

Seasonic FOCUS Platinum シリーズ スペック表
型番 FOCUS-PX-650 FOCUS-PX-750 FOCUS-PX-850
対応規格 ATX 12V
本体サイズ 約150(W)×140(D)×86(H)mm
本体重量 約1627g 約1637g 約1647g
動作温度 0~50℃
保護回路 OPP(過負荷保護)、OVP(過電圧保護)、SCP(短絡保護)、OCP(過電流保護)、OTP(過温度保護)、UVP(低電圧保護)
搭載ファン Fluid Dynamic Bearing (流体軸受け) 120mm FAN
実売価格 2万5080円前後 2万8380円前後 3万1680円前後
FOCUS Platinum 650W 出力
電圧 +3.3V +5V +12V -12V +5Vsb
電流 20A 20A 54A 0.3A 3A
電力 100W 648W 3.6W 15W
定格電力 650W
FOCUS Platinum 750W 出力
電圧 +3.3V +5V +12V -12V +5Vsb
電流 20A 20A 62A 0.3A 3A
電力 100W 744W 3.6W 15W
定格電力 750W
FOCUS Platinum 850W 出力
電圧 +3.3V +5V +12V -12V +5Vsb
電流 20A 20A 70A 0.3A 3A
電力 100W 840W 3.6W 15W
定格電力 850W

 FOCUS PXシリーズはATX規格の電源で、サイズは150×140×86mmで奥行きが短く、すべてのケーブルを着脱できるフルモジュラータイプでもあるため、小型ケースへの実装もしやすいと今時の電源といえる。

 また各種ケーブルは、ほどよく柔らかく、長さもATX 12V 4+4ピン電源コネクターの場合、ケーブル長約60cm(両端の接続端子含まず)と裏側配線のやりやすさの考慮もされている。

 初心者には優しく、ベテランも納得のいく配慮といえるだろう。また保護回路が各種そろっているほか、内部はケーブルレスデザインで安定性を高め、一次・二次側ともに105度電解コンデンサーを採用して信頼性を得ている。それもあってか、製品10年保証もアピールされており、同電源を選びやすいポイントだ。

フルモジュラータイプ。ほどよい柔らかさでケーブルマネージメントが大変やりやすい

ケーブルはフラットタイプなので、ケースの裏側や隅に隠しやすい

2種類の結束バンドが付属する。裏配線を考慮したサービスがうれしい

電源起動用のテスター。地味なアイテムだが、マザーに接続する前に電源の確認をしたい場合などに重宝する

内部。ケーブルレスでスッキリしているため、清掃はエアブロアーを吹かすだけで十分

高性能流体軸受け(FDB)採用の120mmファンを搭載。この軸受けは静音、低消費電力、衝撃吸収効果があるという

低負荷時にファンを停止させるモードと
ファンを停止させないモードを選べる

 冷却周りを見ていこう。高性能流体軸受け120mmファン×1を搭載しており、ハイブリッドファンコントロール下で制御される。

 これは温度と負荷から自動的に「ファンレス」「サイレント」「クーリング」の3モードに切り換える仕様で、低負荷の場合は「ファンレス」、30%付近の負荷から「サイレント」、60%以上になると「クーリング」になるようだ。

 ユニークな要素としては背面に「HYBRID MODE」ボタンがあり「ファンレス」のアリ/ナシを決定できる。たとえば、一定負荷が続く運用が多いのであれば(おそらく問題がないほど堅牢な電源なのだが)、精神的な安心を得るために「ファンレス」をナシにするアクションが可能だ。

背面にあるHYBRID MODEボタン

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